麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2017年07月22日(土)
長沢樹「月夜に溺れる」読了。父親の異なる二人の子供を持つ神奈川県警生活安全部のエース・真下霧生。盛り場で起こる青少年の絡む事件、謎めいた殺人事件には必ず駆り出される遊軍のような存在だ。そんな彼女が遭遇した四つの殺人事件。容疑者たちの鉄壁のアリバイを彼女は見破ることができるのか?
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posted at 12:45:00
父親の異なる二児の母親で恋愛体質の女性警官を主人公にした警察小説連作。長澤作品というとシニカルかつフェチズム溢れる少女描写に定評があるが、ここ最近の作者の作品を読んでいると、どうも本来の持ち味から遠ざかっている気がしてならない。
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posted at 12:45:32
一応本作は少女たちが事件に関わってはいるものの、主人公を全面に押し出しすぎているせいかやはりその辺の物足りなさは否めない。加えてミステリとしても面白くもないトリックにトリビアを盛り込んだだけで特に語るところはなく、全体的に微妙な印象しか残らなかった。
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posted at 12:46:47
三津田信三「わざと忌み家を建てて棲む」読了。人死にがあった部屋や家。それらを一箇所に集めて建て直した“烏合邸”。家主はそこに棲む人を募集する。さながら実験室のように……。黒い部屋、白い屋敷、赤い病院、青い邸宅――四つの怪異に関する記録が出揃った時、明らかになる真相とは?
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posted at 16:59:36
「どこの家にも怖いものはいる」 に続く、幽霊屋敷ホラー第二弾。作者はこれまでにも何度か怪異の中にミステリ的伏線を隠蔽する技巧を駆使した作品を発表しているが、本作もまたその技巧が遺憾なく発揮されている。
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posted at 16:59:56
特に秀逸なのは幕間(一)における黒い部屋と白い屋敷の考察で、それら伏線が怒濤のように回収されるミステリ的カタルシスが更なる恐怖を呼び起こす構成になっている点が素晴らしい。また終盤の謎を解かないと怪異が身近に迫ってくる「作者不詳」を思わせるスリリングな展開も○。
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posted at 17:00:22
但し最後の解釈に関しては少々やり過ぎな気もするが、あくまでホラーとして書かれていることを考えれば、これくらいモヤッとした方がいいのかもしれない。個人的には前作以上にホラーとミステリの融合が達成された佳作である。
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posted at 17:00:43