麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2017年09月07日(木)
二階堂黎人「巨大幽霊マンモス事件」読了。ロシア革命から数年経ったシベリア奥地にある<死の谷>へ秘密裏に物資を運ぶ<商隊>が巻き込まれた怪事件の数々。未知なる殺人鬼の執拗な追跡、連続する密室殺人、甦った巨大マンモス……常識を超えた不可解な謎を名探偵・二階堂蘭子が鮮やかに解き明かす!
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posted at 00:29:08
作者の短編代表作として知られる「ロシア館の謎」の続編にあたる蘭子シリーズの長編。まず本作は人狼城以前の蘭子シリーズのテイストが濃厚な作品であり、ラビリンスサーガで困惑した読者であれば諸手を挙げて歓迎することだろう。
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posted at 00:29:31
だがその一方で本作には作者らしからぬ仕掛けが盛り込まれており、二階堂作品に慣れ親しんだ読者ほどあっと驚くに違いない。とはいえ見方によっては本作は作者がモットーとしている「ロジックよりもトリック、トリックよりもプロット」を最も体現した作品と言えるかもしれない。
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posted at 00:29:54
勿論作者らしい仕掛けも健在で、特に<赤い館>の密室トリックは某新本格作品の発展改良型として見ることもできるだろう。気になる点を挙げるならタイトルにある巨大幽霊マンモスの真相が一番微妙であることだが(爆)それを差し引いても本作が作者の新たな代表作になりえそうな出来なのは間違いない。
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posted at 00:30:19
歌野晶午「ディレクターズ・カット」読了。無軌道な若者たちの暴走と称したやらせ映像で視聴率を稼いでいた下請け番組制作会社ディレクター・長谷見は偶然、孤独な青年が起こした通り魔事件に巻き込まれる。更なる視聴率アップを狙う長谷見は警察の裏をかいてスクープ映像をモノにしようとするが……。
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posted at 22:29:25
ひょんなことから殺人鬼と化した一人の青年を巡る様々な暴走を描いたクライムサスペンス。現代テクノロジーをふんだんに取り入れた見せ方とDQNキャラの巧さはさすが「密室殺人ゲーム」の作者といった所だがそれに加えて物語の後半では「人さらいの歌野」らしい緊張感に満ちた誘拐劇で魅せてくれる。
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posted at 22:34:25
尤もオチに関して言えば充分予測の範疇ではあるものの、設定を巧く活かしているのでそれほどガッカリ感はない。どちらかといえば仕掛けよりも物語の面白さで推したい良作である。
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posted at 22:34:36
柾木政宗「NO推理、NO探偵?」読了。私はユウ。女子高生探偵・アイちゃんの助手兼応援団だ。けれどアイちゃんは推理とかいうしちめんどくさい小話が大好きでいまいちパッとしない。決めた!私がアイちゃんを超メジャーな名探偵に育て上げる!そのためには「推理って、別にいらなくないーー?」
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posted at 23:38:58
第53回メフィスト賞受賞作。本作は『「絶賛」か「激怒」しかいらない。メフィスト賞史上最大の問題作』という触れ込みだが、ミステリとしてどうこういう以前にまず小説として物凄くつまらない上にギャグセンスが致命的なまでに寒いのは大問題と言わざるを得ない。
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posted at 23:39:31
それでも一応ミステリとしてみるとラストのロジカルな推理を際立たせるためにあえて推理を封印した連作をやってみせた試みは理解できるものの肝心の事件が面白くも何ともない時点で大失敗だと思うし、ウリの一つである絶対予測不可能な真犯人にしても正直「だからどうした?」以外の感想が出てこない。
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posted at 23:41:03