麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2018年05月28日(月)
早坂吝「探偵AIのリアル・ディープラーニング」読了。人工知能の研究者だった父が密室で謎の死を遂げた。探偵と犯人、双子のAIを遺して――。高校生の息子・輔(たすく)は探偵のAI・相以(あい)と共に犯人のAI・以相(いあ)を奪い悪用するテロリスト集団と本格推理対決をすることになる。
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posted at 22:27:43
探偵と犯人、双子のAIの対決を主軸にした全五話構成の連作ミステリ。といっても物語としてはシリーズ化を視野にいれているためかあくまで前哨戦に過ぎない印象だが、それでも個々の事件は全編ハズレなしと言うべきハイレベルな出来で満足度はかなり高い。
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posted at 22:27:59
例えば密室放火殺人の謎を扱った第一話はオリジナリティのあるトリックとシンプルながら切れ味のあるロジックもさることながら本格ミステリではお馴染みのあのテーマと人工知能の絡め方が面白いし、シマウマが殺人事件の凶器(!)となる第二話は予想外のところからくる異形のロジックが素晴らしい。
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posted at 22:28:30
また学園で怪事件が連続する第三話は所謂不気味の谷現象の活かし方とこの設定ならではの意表を突いた動機で唸らされてくれし、かと思えば主人公の母親の死の謎に迫る第四話ではまさかの島田荘司的謎の提示と解決で唖然とさせてくれる。
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posted at 22:28:53
そして極めつけは監禁された探偵コンビにある問題が突き付けられる第五話で連作ならではの仕掛けとロジックの融合が実に秀逸。その後日談に本格好きがニヤリとする要素があるのも○で、これは是非とも続編が読んでみたいと思うと同時に作者の作品では最も人に勧めやすい(?)傑作と言っていいだろう。
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posted at 22:29:03