麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2018年10月21日(日)
岬鷺宮「三角の距離は限りないゼロ」読了。人前で「偽りの自分」を演じてしまう僕。そんな僕が恋したのは転校生・水瀬秋玻だった。けれど彼女の中にはもう一人――優しくてどこか抜けた少女・水瀬春珂がいた。二重人格の「秋玻」と「春珂」。彼女たちの秘密を知る時、僕らの関係は不思議にねじれて――。
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posted at 15:50:33
自分を偽る少年と二重人格の少女の出会いから始まる恋愛小説。物語の展開的にはこれといった意外性はあまりないものの、終始どこまでも優しく甘酸っぱい雰囲気に満ちており、それに加えて思春期特有の本音を言えないもどかしさが何とも言えない心地よさを生み出している。
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posted at 15:51:04
その中で最も秀逸なのは四章と五章のあるシーンにおけるイラストが挿入されるタイミングで、それが主人公たちの距離感や心の機微をこれ以上ない形で表現しているのが素晴らしい。また作者のデビュー作である「失恋探偵ももせ」シリーズから某キャラがさりげなく登場しているファンサービスも嬉しい。
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posted at 15:51:20
ただ一点、ヒロインの家庭の事情に対してほとんど言及されないのが気になるが、それはもしかしたら主人公たちの清い関係に余計な不純物が混じるのを避けようとしたのかもしれない。とはいえ、それを差し引いたとしても本作がちょっと変わった設定のボーイミーツガール物の秀作であることは間違いない。
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posted at 15:51:30
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