麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2019年03月02日(土)
浅倉秋成「教室が、ひとりになるまで」読了。私立北楓高校で起きた生徒の連続自殺。残された遺書にはいずれも「私は教室で大きな声を出しすぎました。調律される必要があります」と同じ文言が認められていた。垣内友弘にとって三人の死は疑いようもなく自殺のはずだった。白瀬美月の言葉を聞くまでは。
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posted at 16:53:18
講談社BOX新人賞出身の作者による青春本格ミステリ。粗筋だけ読むととよくある青春ミステリのように思えるが、本作は探偵側と犯人側にそれぞれ特殊能力を与えることで、犯人当てならぬ能力当てをベースとした頭脳戦で魅せてくれる。
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posted at 16:53:38
しかしながらその能力当てというのがなかなかの曲者で、下手な書き手だと悪い意味で何でもアリになってしまいがちだが、本作ではきちんとルールとそれを踏まえたロジックを駆使することで本格ミステリとしてのギリギリのバランスを保っているのが好印象。
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posted at 16:53:54
加えて犯人の動機が明かされることで青春小説としての苦みが際立つところもいい。尤も途中で気付く読者も中にはいるかもしれないが、登場人物たちの隠された心情を裏付ける怒濤の伏線回収がそれを見事に補っている。本作は特殊設定ミステリと青春小説をバランスよく両立させた佳作である。
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posted at 16:54:03
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