麻里邑圭人
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- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2019年06月26日(水)
京極夏彦「今昔百鬼拾遺 天狗」読了。昭和29年8月、是枝美智栄が天狗伝説の残る高尾山中で消息を絶った。約2か月後、遠く離れた群馬県迦葉山で女性の遺体が発見される。遺体は何故か美智栄の衣服を身に纏っていた。この不可解な謎に中禅寺敦子、呉美由紀、そして美智栄の友人・篠村美弥子が挑む。
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posted at 22:32:49
京極堂の妹・中禅寺敦子と「絡新婦の理」に出てきた呉美由紀の二人が活躍する番外編的シリーズも早いもので三作目になるが本作でようやくこのシリーズのコンセプトが確立された感がある。前作「河童」にも百鬼夜行シリーズ本編を彷彿とさせるものがあったが、真相の面白さで言えば本作の方が上だろう。
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posted at 22:33:04
尤もミステリではお馴染みのあるネタが使われた本作の真相だけ見ればさして目新しさはないかもしれない。しかしながら天狗というテーマを活かした不可解な状況演出による真相のミスディレクションは巧みだし、犯人の鬼畜ぶりとどうしようもない身勝手さは実に百鬼夜行シリーズの犯人に相応しい。
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posted at 22:33:30
そしてだからこそ終盤、そんな犯人らを相手に呉美由紀が啖呵を切る場面がシリーズ中最も痛快の一言に尽きる。一作目の「鬼」を読んだ時はこのシリーズの先行きにやや不安を覚えてしまったが、本作はそれを見事に払拭した佳作と言っていいだろう。
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posted at 22:34:38
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