麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2019年09月23日(月)
市川憂人「神とさざなみの密室」読了。政権打倒を標榜する若者団体で活動する凛は気付くと薄暗い部屋にいた。両手首を縛られ動けない。一方隣の部屋では外国人排斥をうたう「AFPU」のメンバー大輝が目を覚ましていた。二人に直前の記憶はなく眼前には横たわる人体。一体、誰が、何のために?
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posted at 00:19:51
作者初のノンシリーズ物の長編ミステリ。本作を一言で例えるとポリティカル要素のある「ソウ」みたいな話(?)であり、左翼右翼それぞれの政治団体で活動する男女が事件に巻き込まれたのをきっかけに推理を通して「民主主義」を実現していく過程がまず面白い。
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posted at 00:20:07
ミステリとしてみるとある気付きをきっかけにサイコスリラー的状況の意味がロジックの綱渡りによって徐々に紐解かれていく点と、そこから導かれた犯人の条件によって某ミステリ作品を彷彿とさせる意外な犯人が明らかになる点が秀逸な反面、その後に続くある謎解きが伏線に乏しすぎて無理があるのが難。
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posted at 00:20:24
エラリー・クイーン「最後の一撃」読了。1905年に起きた事故は双子の赤ん坊の運命を分けることとなった。それから二十五年後の1930年、「ローマ帽子の謎」を出版したばかりの若きエラリーは双子の長男を巡る奇妙な殺人事件に遭遇する。だがこの殺人は1957年を待たねば解決をみないほどの難事件だった。
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posted at 19:12:25
クイーン後期の長編ミステリ。事件の発端から半世紀にわたる壮大な構成、クリスマスの夜から毎晩届けられる謎の贈り物と身元不明の他殺体、そして極めつけは読者への挑戦と、本作はミステリ的に盛り上がる要素が結構揃っていると言っていいだろう(但し贈り物の数が多すぎて些かだれるが)。
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posted at 19:12:38
しかしながら肝心の真相が特殊知識に依存し過ぎて正直ピンとこない上に、途中で明らかになるある事実の伏線が皆無なのもいただけない。何よりここまで引っ張るほどの事件なのかというと大いに疑問と言わざるを得ないし、全体的に釈然としない作品である。
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posted at 19:12:55