麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2020年03月06日(金)
浦賀和宏「地球平面委員会」読了。大学に入学した僕が賑わう校内で見たのは「新委員募集中。あなたも信じてみませんか――。地球が平面であることを」と書かれたビラを校舎の屋上から撒く女の子。その子に惹かれる僕の周囲で事件が起き始める。放火、盗難、そして殺人。一体僕は何に巻き込まれたのか?
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posted at 11:08:47
某ライトノベル作品を彷彿とさせるあらすじから一時期話題になった長編ミステリ。次々と不可解な事件が起きるその内容はホワットダニットというべきものだが、終わってみればミステリというより小粋なジョーク小説という印象を受ける(ラストの一ページがまたその印象に拍車をかけている)。
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posted at 11:09:01
とはいえ一方で本作はノスタルジック小説でもあると思う。本作のネタであるアレについてはもはや通じない読者もいることだろう。当時は普遍的なネタと思われたかもしれないが、ジャンルの多様化が進んだ今となっては、それもニッチなものに過ぎない。
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posted at 11:09:14
自分を含めそのネタが分かる世代のみが共感できるという点で本作は紛れもなくノスタルジック小説であり、故に読む人によって感想が大きく異なる不思議な魅力を秘めた作品と言えるだろう。
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posted at 11:09:25
片里鴎「異世界の名探偵2 帰らずの地下迷宮」読了。「パンゲアの七探偵の一人」に選ばれたヴァンは八人の名だたる冒険者達と共に攻略不可能と名高い「帰らずの地下迷宮」に挑むことになる。攻略は順調に見えたが一人また一人と不可能状況下で殺されていく事態に……「犯人は間違いなく近くにいる!」
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posted at 20:05:37
剣と魔法の世界に転生した主人公ヴァンがロジックで不可能犯罪に挑むシリーズの二作目。今回は地下ダンジョンで起きる連続殺人と不可能犯罪の謎を扱っており、前作に引き続き「誰が犯人なのか?」を問う読者への挑戦も健在。しかしながら本作の見所は犯人当て以外の部分にあるように思う。
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posted at 20:05:54
特筆すべきはやはり「帰らずの地下迷宮」に纏わる秘密であり、その島荘的とも言える大胆不敵な発想には唖然とするしかない。また前作と同じくダンジョンの攻略など一見無関係に思われる場面が後に重要な伏線として機能している点や第三の事件における壮絶な死体に隠されたある趣向も見逃せない。
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posted at 20:06:22
本作に寄せられた千街晶之氏の推薦文「本書の登場人物の複雑な思惑を解きほぐすのは、地下迷宮の攻略より困難だ」とは正にその通りであり、前作とはまた違った意味でファンタジー設定を使った仕掛けの巧さが光る佳作と言っていいだろう。
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posted at 20:06:33