麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2020年03月29日(日)
片里鴎「ペテン師は静かに眠りたい1」読了。いかがわしいコンサルティング会社に勤め人から「ペテン師」呼ばわりされている灰崎正義は気が付くと異世界の荒野にいた。二つの大国に挟まれた小国ノライの町・トリョラで彼が第二の人生を始めたのも束の間、町の有力者から命を狙われることに――。
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「異世界の名探偵」の作者による、もう一つのファンタジーミステリシリーズの一作目。両シリーズとも異世界転生物ながら「異世界の名探偵」が読者への挑戦状や不可能犯罪が売りの本格ミステリであるのに対し、こちらは前世で培ってきた交渉術を駆使した頭脳戦がメインのコンゲーム小説となっている。
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posted at 12:52:31
主人公の正義が根っからの不幸体質であり、次々と降りかかる火の粉を払おうともがけばもがくほど町の暗部に首まで浸かっていく様はファンタジーノワール物として楽しめるし、何より何気ない会話や展開が後に重要な伏線として機能していく点は痛快の一言に尽きる。
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更に終盤ではホワットダニットにも近いカオスな状況が展開、読者すらも煙に巻いた後の謎解きは面白いと思う反面、完全にすっきり割り切れない部分もあるのでややモヤモヤするが、それの関しては次巻にて何らかの形で活かされることを期待したい。
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posted at 12:53:11
片里鴎「ペテン師は静かに眠りたい2」読了。異世界の小国ノライの辺境の町・トリョラで第二の人生をおくることになった「ペテン師」こと灰崎正義はひょんなことから小国ノライの義勇軍の代表として巨大帝国アインラードとノライの戦争に参加する羽目になる。絶望的な戦力差に提案した“禁断の策"とは?
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posted at 12:53:30
シリーズの二作目。前作の町の権力争いから一転、本作では国同士の戦争と一気にスケールが広がると共に物語の面白さも加速しており、前作では消化不良だった部分がきっちり活かされているのは勿論のこと、戦争だけあって駆け引きだけではなくバトル物としてもかなり熱い内容となっている。
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posted at 12:53:42
特に熱いのは凄腕殺し屋と暗殺部隊のバトルで、手に汗握る必殺技の応酬もさることながら、その中にさりげなく盛り込まれるミステリセンス溢れる伏線が○。またコンゲーム物としてもあらゆる策が出尽くしたと思わせて最後の最後で炸裂する決め手が実に悪魔的なのも素晴らしい。
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posted at 12:54:03
そしてその結果、エピローグでの主人公の扱いにはあんまりだと思う反面、やはりこのシリーズはこうでなくてはとニヤリとさせられる。引き続き主人公に降りかかる不幸を温かい気持ちで見守っていきたい。
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posted at 12:54:28