麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2020年05月09日(土)
浅白深也「アンフィニシュトの書 悲劇の物語に幸せの結末を」読了。高校生の輝馬は、ひょんなことから読んだ人間を眠りに誘い本の世界に引きずり込むという特別な本・アンフィニシュトの書に関わることになる。物語の世界で何度も殺されるヒロインを輝馬は無事ハッピーエンドに導くことができるのか?
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posted at 15:30:57
不思議な本の中で何度も殺されるヒロインを救おうと奮闘する主人公を描くループミステリ物。本作の特徴としては舞台が本の世界であることもさることながら何と言っても主人公が最終的に目指すものがヒロインの願うハッピーエンドに辿り着くことである点だろう。
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posted at 15:31:57
そのために何度も主人公はバッドエンドを迎えることになるが、それらは決して無駄になることはなく後に真相を支える伏線として機能するのがいい。何よりも少ない登場人物で構図の反転をやってのけただけではなく、本作のテーマであるハッピーエンドとは何かを明示している点が素晴らしい。
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posted at 15:32:25
岬鷺宮「日和ちゃんのお願いは絶対」読了。「わたしのお願いは、絶対なの」――どんな「お願い」でも叶えられる少女・葉群日和。始まるはずじゃなかった彼女との恋は、俺の人生を、世界すべてを、決定的に変えていく。これは終われないセカイの、もしかして、最後の恋物語。
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posted at 18:18:37
同じ作者の「三角の距離は限りないゼロ」とはまた異なる特殊設定恋愛物。あとがきで作者が語っている通り本作は紛うことなきセカイ系の物語であり、どんな「お願い」でも叶えられる少女・葉群日和と主人公の恋愛模様は「最終兵器彼女」に「[映] アムリタ」を掛け合わせたようなヒリヒリ感が付き纏う。
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posted at 18:19:14
そんな本作の結末は、それまでに起きた出来事を踏まえるとあまりにも綺麗に終わりすぎると不満に思う人もいるかもしれない。しかしこれを始まりの物語と捉えると、その後に待ち受けるものが彼らにとって果たして幸せなのかどうか色々と考えさせられる作品である。
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posted at 18:19:49
岬鷺宮「三角の距離は限りないゼロ5」読了。僕は一人の中にいる二人の少女「秋玻」と「春珂」と、ある約束を交わした。それは「二人に同じだけ恋する」ということ。彼女たちとの胸を焦がすような甘いやりとりに僕はおぼれていく。でも……心のどこかで警報が鳴っている――このままでは、いけないと。
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posted at 22:14:41
二重人格の少女と僕の恋愛模様を描いたシリーズの五作目。前作のあとがきで作者が五巻から物語の本性を覗かせ始めると語っていた通り、いよいよヒロインがなぜ二重人格になったのか、その過去に触れ始めた点も興味深いがそれ以上に今回の見所は「失恋探偵ももせ」の主人公の満を持しての登場だろう。
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posted at 22:15:07
それにより今回は「失恋探偵ももせ」の後日談的側面もあり、そちらのシリーズが好きだった読者にとっては実に感慨深いものがある。勿論ファンサービス的意味だけではなく、きっちりそれと主人公の進路問題を絡めて描いているあたりはさすがといったところか。
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posted at 22:15:37
加えて「失恋探偵ももせ」の主人公が現在文芸の編集者ということもあり一種の出版業界小説としての要素もあるので、その手のものが好きな人ならより楽しめることだろう。その一方でヒロインたちとの恋愛面ではフェチズムたっぷりの際どいシーンもあり、かなり至れり尽くせりな仕上がりである。
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posted at 22:15:58