麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2020年05月25日(月)
玩具堂「探偵くんと鋭い山田さん 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる」読了。親の仕事が探偵と明かしたせいで俺の許に持ち込まれる事件の数々。推理小説のカバーだけが手掛かりの犯人当て、人物画に突き立てられたナイフ。そして俺はなぜか両隣の席の山田姉妹と事件を解決することに……。
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posted at 18:17:45
ライトノベルミステリ「子ひつじは迷わない」シリーズの作者による双子姉妹と一緒に日常の謎を解き明かす連作ミステリ。本作について作者はあとがきで「ミステリと言うよりはクイズ・ストーリー」と謙遜しているが本作で扱われている三つの事件からはいずれもミステリセンス溢れるずらしが感じられる。
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posted at 18:18:18
特にそれが顕著なのは○士見ミステリー文庫が元ネタと思しきレーベルから出ていた推理小説のカバーだけ(!)が手掛かりという掟破りの犯人当て「史上最薄殺人事件」で、ネタそのものは国内作家Sの某作という前例があるものの、某作とはまた違ったアプローチで犯人と動機を突き止めてみせる点が秀逸。
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posted at 18:18:52
また人物画に突き立てられたナイフの謎を巡る「放課後、はさまれる、ひっくり返る」にしても、密室状況や関係者を集めた謎解きというミステリのお約束を踏まえつつ、それを鮮やかに裏切ってみせる手腕と日常の謎物らしい人間心理を丁寧に解きほぐしていく様が素晴らしい。
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posted at 18:19:14
なお本作についてあとがきには作者なりの「探偵小説」を目指したと書かれているが、その言葉通り、最後に語られる探偵役が事件の謎を解くスタンスがなかなか興味深く、そういう意味でも今後の探偵トリオ(?)の活躍がますます気になること請け合いの良作である。
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posted at 18:19:38