麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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» 2020年06月15日
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2020年06月15日(月)
宇佐美まこと「ボニン浄土」読了。1840年、荒天の果てにある島に漂着した五百石船の乗員たち。そして現在。幼少期に祖父が大切にしていた木製の置物をふとしたことで手に入れた中年男とある事故をきっかけにチェロの音が聴こえなくなったチェロ弾きの少年の物語はやがて一つの島へと帰結する。
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posted at 23:56:31
小笠原諸島にある一つの島を巡る三つの物語を描いた長編作品。粗筋を見る限りあまりミステリっぽく思えないかもしれないが、ある変死事件の真相をそれぞれの物語の異なる視点から浮かび上がらせていく手法は正しくミステリ以外の何物でもないだろう。
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posted at 23:56:57
とはいえ一部の真相の開示に駆け足感が否めないのと真相に意外性があまり感じられないのが残念だが、それでも物語や事件が島へと収束していく過程とそこに託された人々の様々な想いは実に読み応えがある。本作は「展望塔のラプンツェル」や「熟れた月」が好きな読者なら安心して楽しめる良作である。
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posted at 23:57:35
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