麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2020年09月18日(金)
ポール・アルテ「殺人七不思議」読了。密室と化した灯台で生きたまま焼かれた灯台守。衆人環視下で虚空から放たれたとしか思えない矢に射抜かれた貴族――警察に「世界七不思議」に見立てた犯行予告を送りつけ、次々とそれを成し遂げる連続殺人鬼の謎に美学者探偵・オーウェン・バーンズが挑む。
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posted at 00:52:27
名探偵オーウェン・バーンズシリーズの邦訳第三弾。今回は七つの見立て不可能殺人に劇場型犯罪と、さながらカーが書いたABC殺人事件(!)というべき様相を示しており、シリーズ中最も先が気になる内容となっている。
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posted at 00:53:00
七つの見立て不可能殺人はそれぞれ人物設定などを巧みに活かしているが、特に良かったのは水がいっぱい入った水差しの前で脱水症を起こして死んだ(!?)男の真相で、バカミスここに極まれりと言うべき頭のおかしさ(褒め言葉)が存分に堪能できるだろう。
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posted at 00:54:43
ポール・アルテ「粘土の顔の男」読了。聖書の創世記に纏わる古文書を発見して以来様々な不幸に見舞われていたアマチュア考古学者が粘土の顔の男が目撃された翌日に密室で頭を撃ち抜かれた死体となって発見される話。謎を魅力的に演出すればするほど真相のガッカリ感が際立つという典型的な作品で残念。
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posted at 09:57:02
芦辺拓「解凍された密室――ポール・アルテ氏に捧ぐ」読了。芦辺作品の看板探偵・森江春策+ヴィルヘルミーネ大公女とツイスト博士のコラボ作品。トリックそのものよりもどうコラボさせたかという点が見所であり、国内作家Nの某短編を思わせる大胆かつ壮大な設定には思わずニヤリとなることだろう。
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posted at 10:09:45
「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」観了。「中二病でも恋がしたい! -Take On Me-」同様よくできたエピローグ。ストーリーはどこまでも予定調和ながらあざといまでの感動の演出が実に丁寧に作られており特に終盤における怒涛の多重解決ならぬ多重涙腺崩壊は必見。ラストのアレも卑怯だと思うw
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posted at 14:33:40
手代木正太郎「むしめづる姫宮さん3」読了。変わっていく凪を見て自分も何かやらなくてはとあがく羽汰。そんな彼の元に今日も虫の魂に取り憑かれた少年少女たちの悩みが持ち込まれる。体の色が変わってしまう美術部部長。とある劇に固執する二人の演劇部員。そして、どこかへ消えゆく凪――。
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posted at 19:22:50
卑屈な少年・有吉羽汰と昆虫マニアの少女・姫宮凪が少年少女に取り憑いた虫の魂を落とす連作シリーズの三作目にして最終作。本作ではこれまで通り虫の魂に取り憑かれた少年少女たちの心の悩みを描く一方で前作のラストで齎された主人公の心の変化に対する一つの解答を提示している。
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posted at 19:23:08
ただ正直この解答はこのタイプの青春小説としてはかなり異色であり主人公たち以外のエピソードとの対比がよりそれを際立たせている。しかしながら本作は残酷な現実を突き付けつつもあくまで何者にもなれない人たちへのエールであり、ラストの一文からも作者の前向きなメッセージ性が窺える作品である。
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posted at 19:23:24