麻里邑圭人
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- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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» 2020年09月22日
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2020年09月22日(火)
イーゴル・デ・アミーチス「七つの墓碑」読了。カモッラ・ファミリーのボスが自身の名が刻まれた墓碑の前で惨殺された。だが墓碑は一つではなかった。全部で七つの墓碑がこれからの殺害を予告するかのように残されていた。一方、七番目の墓碑に名を刻まれた男・ミケーレが刑務所を出所するが……。
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posted at 18:28:37
謎の連続殺人と暴力に満ちた物語が交錯するクライムサスペンス。本作は偽の墓に刻んだ人物を次々と殺害する正体不明の連続殺人犯・墓掘り男を追う警察官コンビと、墓掘り男に命を狙われる刑務所を出所したばかりの男・ミケーレの二つの物語で構成されているが特筆すべきはやはりミケーレパートだろう。
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posted at 18:28:57
彼の物語は基本的に血と硝煙にまみれ、目を背けたくなるような暴力に満ち溢れているが、時折彼が見せるどうしようもない人間臭さや回想シーンに漂う哀愁感に何となく惹かれて読み進むうち、いつしか読者はミケーレという男に親しみを覚えていることに気が付くだろう。
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posted at 18:29:24
そうしてミケーレに感情移入させることで連続殺人の動機を際立たせつつ、もう一つの警察官コンビの物語で墓掘り男の正体の意外性と狂気をきっちり描いている点が素晴らしい。ラストもこれ以上ない形で美しく決まっており、暴力の中に煌めく詩美性が忘れ難い佳品である。
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posted at 18:29:37
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