麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2020年09月30日(水)
綾辻行人「Another 2001」読了。多くの犠牲者が出た1998年度の〈災厄〉から三年。〈死者〉がクラスに紛れ込む〈現象〉に備えて今年は特別な〈対策〉を講じる想たちだったがある出来事をきっかけに惨劇が始まってしまう。相次ぐ理不尽な死に直面した想は見崎鳴の力を借りて事態の収拾を図るが……。
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posted at 01:14:10
Anotherシリーズの三作目は一作目同様に〈死者〉がクラスに紛れ込んだことで続発する死の連鎖を食い止めようとする話。一作目は〈死者〉を探すフーダニットでもあったのに対し、本作はシリーズ読者であれば最初から誰が〈死者〉なのか分かっている状態のため正直謎解き要素はないに等しい。
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posted at 01:14:48
故に途中まではホラーミステリという売り文句に疑問を持つ人もいるかもしれないが、かなり後半になってある謎が浮上するに至りようやくホラーミステリとしての顔が立ち現れる。尤もこの謎に対する解答にあまり意外性はないものの、それを証明する一部の手掛かりには見るべきところがあるだろう。
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posted at 01:15:15
とはいえやはり物語が長過ぎるという印象は否めず、シリーズファン以外にはお勧めしづらい作品だが、逆を言えばシリーズファンなら楽しめる要素がそこかしこに盛り込まれた作品である。
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三津田信三「逢魔宿り」読了。ホラー作家の「僕」に、デザイナーの松尾は昔ある四阿で出会った奇妙な一家の話を語る。山小屋での恐怖体験、障子に映る異常な影絵、宿直中の学校での異変。一家が怪異譚を語るたび、近隣で不可解な事件が起き……。表題作含む五編の怪異譚。
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posted at 22:51:07
全五編の連作怪談集。帯には「怪異と謎解きの美しき融合」とあるが、正直謎解き要素はそれほど高くはない。とはいえ収録作の一部にはミステリらしい伏線でおっと思わせてくれるものもあるが、基本的にはミステリとしてはあまり期待しないで読むのが吉だろう。
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posted at 22:51:54
収録作の中で個人的に良かったのは無口な少年が描く絵が凶事を暗示する「予告画」と、とある旧家の法事に訪れたのを機に何かを呼び寄せてしまう「よびにくるもの」で、前者はさりげないミステリ的伏線が怪異に説得力を与えている点が、後者は「ついてくるもの」にも通じる怪異の執念深さが○。
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posted at 22:52:10