麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2020年10月04日(日)
秋山正美「葬儀のあとの寝室」読了。あるものを入れたコーヒーを飲ませ合う夫婦、カマキリや百足と名付けた部屋を売りにする怪しげな店、次々と女の右目を抉り取って晒し者にする怪人、謎の死を遂げた総理大臣、少女が遭遇した心臓の形をした花に纏わる奇怪な出来事……表題作含む十三編を収録。
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posted at 19:23:44
「13の怪奇と幻想の物語」というサブタイトルと作者の手による不気味なイラストが目を惹く作品集。帯には「本格的、恐怖小説集」とあるが、どちらかというとブラックユーモア色の方が強いのに加え、意外にもミステリ要素のある作品も多く、所々に作者が好きだという江戸川乱歩の影響を感じさせる。
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posted at 19:24:17
特にそれが顕著なのは恥球男と名乗る怪人が次々と女の右目を抉り取って晒し者にする「恥球男」で、怪奇幻想物と思っていると、最後に明かされるオチで「え、そういう話だったの!?」と少なからず驚かされるだろう。
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posted at 19:24:40
また妻が夫に硫酸シャワーを浴びせようと目論む「整形夫婦」もミステリではお馴染みの趣向が意外性に一役買っていて○。個人的な好みを挙げるなら青年がカマキリや百足と名付けた部屋を売りにする店の虜になっていく「最後の部屋には首がある」で、奇想とブラックなオチの何とも言えない味わいがいい。
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posted at 19:25:49
その他精神病院患者の手記という形をとった「胎児たちの相似」も実現可能かはともかく国内作家Sの某作みたいなオチは嫌いではないしトリを飾る「蕾と内臓」の怪奇と幻想のバランスも○。解説に仕掛けられたちょっとしたお遊びにもニヤリとさせられる本作は作者が言うほど出来は悪くない作品集である。
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posted at 19:26:24