麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2020年10月16日(金)
加藤元浩「Q.E.D.iff」17巻読了。秘宝を懸けたゲームのために訪れた洋館「ポプラ荘」で立て続けに密室殺人が発生。だが参加者全員にアリバイがある「ポプラ荘の殺人ゲーム」、遺産相続問題と奇妙な葉書の関係、容疑者全員に犯行が不可能な遺髪焼失事件の謎に迫る「トロッコ問題」の二編収録。
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posted at 10:16:18
今回収録された二編のうち特筆すべきは「トロッコ問題」で、よくある遺産相続を巡る事件と思っていると見事にしてやられることだろう。問題そのものを誤認させる技巧もさることながら、全ての謎が明らかになった時、タイトルの意味と相俟って静かな感動が呼び起こされること請け合いの傑作である。
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posted at 10:16:37
一方「ポプラ荘の殺人ゲーム」もまたよくある館物の事件と思っていると途中で明かされるある事実に驚かされる一編で、この事実の使い方こそ定番ながらオーソドックスな事件の内容に巧く意外性を与えることに成功している。既存のアイディアの組み合わせにセンスが感じられる意欲作と言っていいだろう。
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posted at 10:16:54
加藤元浩「C.M.B.森羅博物館の事件目録」45巻読了。「C.M.B.殺人事件」を解決し指輪の主としての役目を果たした榊森羅を待ち受けるものとは?「大団円」、そして森羅の相棒・立樹が大人になり遭遇したロマノフ王朝の秘宝を巡る不可解な連続殺人事件を扱った「ロマノフ王朝の秘宝」の二編収録。
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posted at 13:45:35
「C.M.B.殺人事件」の後日談として綺麗に纏まった「大団円」もさることながら特に良かったのは大人になった立樹がロマノフ王朝の秘宝を追う先々で不可解な連続殺人に遭遇する「ロマノフ王朝の秘宝」で、漫画ならではの見事な仕掛けと主役コンビの再会が最高のエピローグに仕上がっている傑作である。
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posted at 13:45:54
東川篤哉「谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題」読了。踏んでいない筈の足を踏まれたと主張する男、部屋にある物が中途半端に逆さまになっている謎、風呂場で死んだ男、泥棒騒動と容疑者のアリバイ……東京の谷根千を舞台に女子大生つみれと奇妙な店主・竹田津が四つの事件の真相を解き明かす。
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posted at 19:07:17
東京の谷根千を舞台にしたユーモアミステリ連作。謎だけ見ればミステリ読者にはお馴染みの部屋にあるものが逆さまになっている表題作に惹かれるかもしれないが、個人的には第三話の「風呂場で死んだ男」を推したい。
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posted at 19:07:34
トリックだけ取り出せば定番過ぎるものながら、ある気付きと犯人の涙ぐましい努力(?)により、巧く捻られた作品に仕上がっている。それ以外は小粒すぎるネタと微妙にぶれる犯人にモヤッとさせられるものの、作者らしいユーモアたっぷりのノリは健在である。
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posted at 19:07:50