麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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» 2020年11月05日
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2020年11月05日(木)
葉真中顕「そして、海の泡になる」読了。バブル期に史上最高額の負債を抱え、自己破産した朝比奈ハル。平成が終わる年、彼女はひっそりと獄死した。その生涯を小説に書こうと決めた"私"は生前の姿を知る関係者に聞き取りを始める。すると彼女の周りでは度々、不可解な死が起きていたことが分かり――。
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posted at 23:52:22
北浜の魔女と呼ばれた女・朝比奈ハルの人生を関係者への取材形式で綴る長編ミステリ。前作「Blue」では平成という時代を振り返る年代記という側面があったのに対し本作は朝比奈ハルの人生を通して昭和から平成、そしてコロナ禍の令和という時代を作者らしいシニカルかつ鋭い視点で描いていく。
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posted at 23:52:49
そのために本作では社会派のレッテルを貼られているが、実は本格ミステリとしても秀逸で朝比奈ハルの周りで不可解な死が連続している謎、彼女が刑務所に入ることになった動機なき殺人の謎など、物語の中に幾つもの魅力的な謎が散りばめられ、それが朝比奈ハルの神秘性に一役買っているのが○。
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posted at 23:53:18
そしてその真相もまた絶妙で、取材形式を活かした仕掛けであっと驚かせてからの謎解き――何気ない描写から浮き彫りになる隠された犯罪の構図の畳み掛けが実に素晴らしい。それでいて最後に待ち受ける物語のあり方には胸を打たれること必至の傑作である。
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posted at 23:53:55
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