麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2020年12月01日(火)
「カットスロート・ナイン」観了。凶悪犯を護送する馬車が山賊に襲われたことから始まるマカロニウエスタン。金塊のありかや犯人探しなどのミステリ要素もなくはないが伏線は一切なく最終的に誰が生き残るのかというサスペンスと容赦ない残虐描写が見所か。一方で木枯し紋次郎的虚無感があるのも○。
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静月遠火「真夏の日の夢」再読了。演劇の活動費を捻出するため変人として知られる心理学部の教授の実験に参加することになった演劇サークルのメンバーたち。一ヶ月間、建物から一歩も出ないで過ごすというその実験は順調に進んでいたが実験開始から六日目にメンバーの一人が忽然と姿を消してしまう。
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第15回電撃小説大賞金賞受賞作家によるホワットダニット物の長編ミステリ。といっても130頁までは退屈な日常描写が続くので人によってはこれは本当にミステリなのかと不安に思うかもしれないがご安心を。130頁すぎてメンバーの一人が消えて以降は次々と現れる謎で読者を翻弄してくれるだろう。
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posted at 20:58:07
そして終盤、退屈な日常描写の中に巧みに隠されていた怒涛の伏線回収も圧巻だが、そこへ更にどんでん返し(とちょっとした仕掛け)を盛り込み、意外な犯人だけでなくどす黒い真相まで用意した作者の技巧には脱帽と言わざるを得ない。
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posted at 20:59:11
だが個人的に最も衝撃的だったのはあとがきで、ここまでのことをやっておきながら作者は本作のことを〈ミステリ「風味」〉と語ってしまうのだから何とも恐ろしい。本作は作者が好きな作家として挙げている麻耶雄嵩や西澤保彦の遺伝子をはっきりと感じることができる秀作である。
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posted at 20:59:31