麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2020年12月04日(金)
関崎俊三「安堂鍵乃子の暗号事件簿」1巻読了。タイトル通り暗号特化の内容ながらノリは同じ作者の「ああ探偵事務所」に近い(というか鍵乃子が妻木の女版)。しかも関崎作品ではお馴染み村松姉妹の登場には笑ったw ミステリ的には殺人事件の謎も絡んできた「暗号先生は二度死ぬ」の続きに期待したい。
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posted at 10:32:17
杉山幌「嘘月」読了。生徒の「能力」の研究・開発を目的とする高校・織乃学園。中でも数人しか居ないSランク特待生である美少女・瀬谷伊音は無能力者で探偵脳のおれ・佐々木理久を妙に敵視している。そんな中「異常者の集まる織乃学園に罰を」という血文字の落書きが出現し、彼女に嫌疑がかかる。
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posted at 17:22:59
何らかの能力を持った生徒ばかりが集められた学園を舞台にした全六話構成の連作ミステリ。前半三話までは能力当てを織り混ぜた日常の謎物の雰囲気があるものの四話で語られる魔女狩り事件に纏わる一つの死を契機に、主人公が苦悩しながらも学園に潜む悪意の正体を突き止める話へとシフトしていく。
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posted at 17:23:27
本作が秀逸なのは探偵脳だからこそ「嘘」をつかざるを得ない主人公と「嘘」が分かる能力だからこそ「嘘」が大嫌いな瀬谷の関係を物語の主軸にしている点でありそこに主人公と因縁のある人物との対決を効果的に使うことで最後に明かされるある事実と共に青春小説としての苦みを際立たせている点だろう。
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posted at 17:23:44
ただ一方でそれを狙い過ぎるあまり一部の登場人物の能力に些かご都合主義な感が否めない点、またなくても成立するエピソードがあるなど気になるところもなくはないが、それらを差し引いても主人公が探偵である必然性と異能ミステリの特徴を活かした青春小説としての面白さは充分読む価値はあると思う。
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posted at 17:23:59