麻里邑圭人
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- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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» 2021年01月08日
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2021年01月08日(金)
宇佐美まこと「羊は安らかに草を食み」読了。アイと富士子は認知症を患い、日ごと記憶が失われていく友人・益恵を “最後の旅" に連れ出すことにした。それは益恵がかつて暮らした土地を巡る旅。大津、松山、五島列島……八十六年の人生を遡る最後の旅が図らずも浮かび上がらせる壮絶な真実とは?
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posted at 15:36:28
認知症の老女に隠された秘密に迫る長編ミステリ。本作は認知症の老女・益恵の人生を遡る最後の旅を描く現代パートと彼女が満州から引き揚げた時のエピソードが語られる過去パートが平行して進む構成となっているが、その過去パートを読むことで益恵が残した俳句の意味が初めて分かる趣向がまず面白い。
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posted at 15:36:47
尤もミステリとして本作をみると、益恵に隠された秘密自体はミステリをある程度読んでいる読者であれば容易に見当がつくかもしれない。だがそこからの急展開はそれまでの物語の丁寧な積み重ねがあるからこそグッと読ませてくれるし、ある意味作者の出世作である「愚者の毒」を思わせるものがある。
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posted at 15:37:10
しかしながら帯に書いてあるような「愚者の毒」を超える作品とは言い難いし、オチにしてもややご都合主義な感が否めないものの、人間である限りいつかは避けられない老いというテーマを戦争の悲惨さと絡めて真摯に描いた良作ではあると思う。
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posted at 15:37:45
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