麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2021年01月22日(金)
安萬純一「星空にパレット」読了。二度に渡って現れた黒マスク姿の男を巡る殺人事件、夏の避暑地での不可解な連続殺人、ミステリ小説として書かれた殺人事件が実際の事件と重なっていることに気付いた作家の推理、大学病院での転落死の真相。鮎川哲也賞作家が贈る純度百パーセントのミステリ四編収録。
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posted at 11:59:19
連作ではない短編ミステリ四編を収録した作品集。純度百パーセントを謳うだけあって収録作はいずれもガチガチの本格なのが嬉しい反面、意外性を追求するあまり一編目を除き、仕掛けが不自然に浮いていたり必然性に乏しかったりするのが気になる。
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posted at 12:00:14
作者曰く犯人当てとトリックが密接に絡まり合っている点に拘ったとのことだが、個人的にはもう少し他の部分にも気を遣ってほしかった。あくまで意外性があればいい、トリックのためのトリックでも構わないと割り切れる人であれば楽しめる作品集である。
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posted at 12:00:38
古宮九時「彼女は僕の「顔」を知らない。」読了。死者複数名を出した凄惨なキャンプ場放火事件から十年。僕の前に同じ事件の生存者・静葉が転校生として現れる。彼女は人の顔が認知できない病だった。そして十年の時を経て再び事件は動き出す。差出人不明の脅迫状、黒服の男、不審火の記録――。
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posted at 15:27:40
「死を見る僕と、明日死ぬ君の事件録」以来の現代青春ミステリ。しかしながら物語としてもミステリとしても前作より更に出来は粗い。サプライズが完全にアンフェアな点は前作と同じながら何よりも今回はわざわざ導入した相貌失認設定があまりにも都合よく使われている点が興醒めの一言に尽きる。
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posted at 15:27:53
またメインの事件の雑な扱いも前作に輪をかけて酷いし、ただでさえ少ない登場人物で無理に意外性を出そうとしたせいか後付けに次ぐ後付けがミステリとしても物語としても更に破綻させてしまっている。雰囲気だけミステリっぽいものを狙った結果、明後日の所に着地してしまった感が否めない作品である。
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posted at 15:28:10
三津田信三「死相学探偵最後の事件」読了。黒術師の居所を探し候補地である孤島に渡った黒捜課のメンバーと俊一郎と祖父母たち。そこで待ち受けていたのは、どこか奇妙な言動のスタッフたちと次々と発生する不可解な連続殺人事件だった。死相学探偵の最後にして、究極の闘いが今幕を開ける――。
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posted at 20:27:30
死相学探偵シリーズの最終作。三津田ファンに向けたサービスシーン(読めば分かる)から始まる本作は粗筋を見る限りだとクローズド・サークル物のミステリのように思えるが、その気になって読んでいるといきなり死相学探偵シリーズのカルトクイズ(?)的なノリになるのでかなり困惑することになる。
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posted at 20:27:55
更にそこからRPGのラストバトルみたいな展開になる点に関してはお約束と取るか安直と取るかで評価が分かれるところかもしれないが最後に明らかになる黒術師の正体を考えるとある意味その展開は正しいのかもしれない。少なくともシリーズ全作の内容を覚えているうちに読んだ方が楽しめる作品である。
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posted at 20:28:53