麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2021年03月24日(水)
辻真先「二十面相 暁に死す」読了。敗戦の翌年、焼跡にも徐々に活気が戻り始めた昭和21年春。二十面相の暗躍はやむことがなく、遂には明智探偵と小林少年の偽者まで現れたという。神出鬼没の二十面相を、明智は追い詰めることができるのか? そして「小林少年の偽者」の正体は……?
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posted at 20:32:45
「焼跡の二十面相」に続く辻真先版「怪人二十面相」第二弾。前作が戦後間もなくという設定ならではの捻りが面白かった「怪人二十面相」だったのに対し、本作は定番の「怪人二十面相」の延長線上の作品であり、前作のような意外性のある面白さを期待するとやや物足りなさを覚えるかもしれない。
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posted at 20:33:07
とはいえ定番だからこその面白さがあるのもまた事実であり、特に終盤に起こる殺人事件を巡る二転三転する推理と宿敵同士のコラボはなかなか熱いものがある。その一方で小林少年の恋の行方など冒険活劇部分以外にも読みどころが用意されており前作の後日談としては申し分ない内容と言っていいだろう。
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posted at 20:33:30
紅玉ふくろう「チヨダク王国ジャッジメント 姉と俺とで異世界最高裁判所」読了。ゲーム好きの高校生アクトがある日裁判官をしている姉のツカサと共に召喚された異世界は日本の文化を模倣する“チヨダク王国”だった。二人はそこで女王からかつて世界を救った勇者が起こした焼殺事件の裁判を依頼される。
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posted at 20:35:39
第16回MF文庫Jライトノベル新人賞《最優秀賞》受賞作。ファンタジー世界で裁判をやる話はこれまでにも幾つかあったが、本作の場合あくまで日本の法律に則った裁判を行う点が新鮮であり、それを実現させるために用意された“チヨダク王国”というかなり強引な異世界の日本化設定がまず面白い。
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posted at 20:35:57
しかも裁判中に実際に日本で起こった事件を引き合いに出したり、日本の負の部分をあえて取り入れることで社会派的要素を事件の背景に活かしている点もかなり異色と言っていいだろう。またメインの勇者が起こした焼殺事件に行く前に一度民事事件を通して裁判の流れを読者に理解させる親切設計も○。
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posted at 20:36:13
惜しむらくは作中で逆転裁判らしきゲームが挙がるにも拘わらず作者がミステリとして描くつもりがないのかせっかくの真相が推理することなくただの説明で終わってしまっている点だが、そこさえ割り切れば実際裁判所の仕事に携わっているという作者の経験が活かされた異色の裁判劇が楽しめる作品である。
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posted at 20:36:56