麻里邑圭人
- いいね数 9,797/10,375
- フォロー 1,028 フォロワー 1,647 ツイート 91,937
- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2021年06月16日(水)
「ソランジェ 残酷なメルヘン」観了。股間にナイフを突き立てる連続少女殺人犯の謎を追うジャーロ物。犯人を当てるのはさすがに厳しいとは思うものの、犯行の手口が後に判明する真相と密接に繋がっている点は○。また猟奇殺人を扱った内容とは裏腹な、妙に叙情的なテーマ曲が印象に残る作品である。
タグ:
posted at 00:51:52
飛鳥部勝則「乳房と墓――綺説《顔のない死体》」(「秘密 異形コレクションLI」収録)/首なし死体を少女は棄てた。その光景を目撃した下村賢二は衝撃と恐怖を覚えつつも、それに勝る歓びと達成感にうち震える。たった今、自分は彼女の決定的な弱み――城戸ヘルガの秘密を握ったのだ。
タグ:
posted at 10:13:07
飛鳥部作品ではお馴染みのエキセントリックな美少女に付きまとう変態主人公が彼女の棄てた首なし死体についてあれこれ推理を巡らせる話。ヘルガの怪しい魅力もさることながら「エジプト十字架の秘密」を引き合いに出して《顔のない死体》講義を展開する下りは本格ミステリ作家らしさが窺えるだろう。
タグ:
posted at 10:13:54
しかしながらその後に待ち受ける怒涛の謎解き――とんでもないところから伏線を回収して唖然とする真相を読者に突きつけるその手腕は正に飛鳥部勝則の真骨頂であり、作者のファンであれば長編「砂漠の薔薇」のノベルス版あとがきや「プロセルピナ」などの作品を思い出すに違いない。
タグ:
posted at 10:14:59
更にそこからシュールな笑いを経て背筋がゾクッとするような怪奇オチへと着地させるに至っては近年の短編「魔女考」を彷彿とさせるところがある。30ページにも満たない短い作品ながら見事に本格ミステリとホラーの融合を成し遂げた、この作者にしか書けない傑作である。
タグ:
posted at 10:15:26
「愛欲の魔神島 謎の全裸美女惨死体」観了。無人島に遊びにきた若い男女のうち三人が殺され一人が生き残った。一体島で何が起こったのか?という導入部だけ見ればミステリっぽいが、終わってみればよくあるホラー展開であり、端から旧き良きゴシックホラーと割り切ればそれなりに楽しめる作品である。
タグ:
posted at 23:37:41