麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2021年11月03日(水)
紙城境介「転生ごときで逃げられるとでも、兄さん?」読了。妹に監禁されていた俺は逃げ出した矢先にトラックに轢かれ異世界に転生、悪魔のごとき妹から解放されたと思いきや一緒に死んだ妹もこの世界に転生してきて……。果たして俺は神様に貰った能力を駆使してあいつを退けることができるだろうか?
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異世界転生してまで追いかけてきたヤンデレの妹に立ち向かうべく主人公が頭脳戦を駆使する異世界ファンタジーシリーズの一作目。まず本作は二部構成になっており、前半では乳児(!)の主人公とヤンデレ妹の転生後初の対決が、後半では盗賊団との死闘が描かれている。
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てっきり名前も容姿も変わった主人公と妹がどうやってお互いを探し出していくのかが肝かと思いきや、それをあっさり放棄して早々とバトルに突入してしまった前半の急すぎる展開には興醒めではあった反面、後半の展開では幾らか持ち直し、敵が使ってくる術の正体を見破る頭脳戦に持っていったのは○。
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特に秀逸なのはファンタジーらしい魔法もとい精霊術を使った戦闘が巧妙なミスディレクションとして機能している点で、そこに隠された真相がミステリ的ガジェットを活かしたものなのも面白い。前半の展開にはやや難があるものの後半の展開でそれを巧く補っており終わってみれば良作と言っていいだろう。
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posted at 00:31:50
紙城境介「転生ごときで逃げられるとでも、兄さん?2」読了。異世界に共に転生してきた妹と死闘を繰り広げてから八年。俺は幼なじみのフィルと共に王立精霊術学院に入学し、己の全てを賭けて同世代の神童たちと鎬を削ることになる。そして遂に最強の天才王子と激突するその裏では、ある企みが――。
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posted at 00:54:47
異世界転生してまで追いかけてきたヤンデレの妹に立ち向かうべく主人公が頭脳戦を駆使する異世界ファンタジーシリーズの二作目。冒頭から作者がこれまでの物語で出てきた様々な疑問点を示唆、何かしらの大仕掛けを用意していそうな雰囲気を感じさせてくれるのがいい。
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とはいえ今回の主な見所は最強の天才王子をどうやって倒すかのハウダニットであり、そこに盛り込まれた策略の数々が実に大掛かりなのもさることながら、何より最後の策が巧く盲点を突いていて、あっと驚かせてくれるのが○。
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春間タツキ「聖女ヴィクトリアの考察 アウレスタ神殿物語」読了。〈アウレスタ神殿〉の聖女ヴィクトリアは能力を疑われ追放を言い渡されるも辺境の騎士アドラスから「俺が皇子ではないことを証明してほしい」と奇妙な依頼を受けることに。皇帝妃が遺した手紙、二十年前に殺された皇子は何を意味する?
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posted at 17:02:53
第6回角川文庫キャラクター小説大賞〈奨励賞〉受賞作。あらすじから分かる通り本作はファンタジー設定を使ったミステリではあるものの、基本的には陰謀の絡む帝位継承争いがメインのため、剣と魔法のファンタジーを期待するとやや物足りなさを覚えるかもしれない。
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posted at 17:03:08
その一方でミステリとして見た場合これがなかなかの完成度で、作中のある事実を逆説のロジックで崩してからミステリではお馴染みのある手法を使ってそれまでの構図を一気にひっくり返してみせる点が実に鮮やか。また決め手となるものもあざとさが無きにしも非ずだが演出効果としては申し分ないだろう。
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posted at 17:03:23
欲を言えば探偵役の霊が視える能力がほとんど活かされていない点だが、それに目を瞑れば最後の最後で八方塞がりの状況を一気に覆すミステリならではの快感が味わえる佳作と言っていいだろう。
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