麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2011年01月30日(日)
飛鳥部勝則「シルエット・ロマンス」読了。本作は影を恐れる男を描いたホラー短編である。何故、自分が影に対し異常なまでの恐怖を覚えるのか、男自身にも分からない。そうして、あれこれ原因を探ってみたあげくに迎える結末は正に怪談そのものだ。
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posted at 01:58:40
誰もが馴染みのあるものだからこそ、結末の恐怖の光景をありありと思い描くことができる。そういった意味では題材のチョイスの仕方が絶妙であり、恐怖とは常に隣り合わせだということをつくづく思い知らせてくれる作品と言えるだろう。
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posted at 02:00:56
2011年01月31日(月)
田代裕彦「セカイのスキマ3」読了。学園の夏の行事、山林ボランティアに参加するため伊豆にある合宿所に向かった「四つ辻の会」の面々はそこで知り合った高校生、和良から「カクシガミ」なる怪異の話を聞かされる。和良は言う。自分の母親や神隠しに遭った後、死体となって発見されたのだ――と。
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posted at 21:04:12
シリーズ第三弾にして最終作の本作が扱う謎はズバリ、神隠しである。過去に起こった奇妙な神隠し事件。それから十年の時を経て再び繰り返される怪異。個人的にこのシリーズの醍醐味は怪異をどう現実的に説明するかだと思っているのだが、それに関しては今回も申し分ない「解決」が用意されている。
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posted at 21:05:03
言い伝えの意外な解釈もさることながら、自分としてはただのおちゃらけイベント(爆)だとばかり思っていたアレが伏線だったことにまずびっくりした。毎度のことながら伏線の張り方にはつくづく感心させられる。だが物語の終わらせ方としては正直、疑問と言わざるを得ない。
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posted at 21:05:44
ただこれに関しては、あとがきで作者が「ひと区切り」と語っているところから見るに、恐らく作者的にも不本意な終わり方だったと見るべきだろう。物語としてではなく、ミステリとしてであれば、本作は素直にお勧めできる良作である。
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posted at 21:06:59