麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2019年01月18日(金)
七月鏡一/杉山鉄兵「探偵ゼノと7つの殺人密室 」4巻読了。キリシタンの処刑場として知られる島で次々と起こる殺人事件。展開はテンポがいいと取るか急ぎすぎと取るかで好みが分かれる所だが、今のところネタ的にはどれも小粒感が否めない(童歌に隠された意味は◯)。次巻での巻き返しに期待したい。
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「アンブレイカブル」観了。地味ながら堅実なヒーロー誕生物かと思いきや、最後のオチで「ああ、シャマランだなあ」と納得(しかし公式でオチまでバラすのはいかがなものか)。これで心置きなく「ミスター・ガラス」が観れる(「アンブレイカブル」を観る前に「スプリット」を観てしまったのは秘密)。
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2019年01月19日(土)
「ミスター・ガラス」観了。「アンブレイカブル」「スプリット」に続く三部作完結。待望のヒーローとヴィランの対決かと思いきや……単純な対決劇を期待していた人はガッカリするかもしれないが最後に明らかになる真の構図とミスター・ガラスの役割は名探偵と怪人論にも通じるもので実に興味深かった。
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葉真中顕「W県警の悲劇」読了。警察官の鑑と尊敬されていた父の変死、猟奇的な女児殺害事件の意外な真相、改造拳銃密売の証拠探し、痴漢事件に隠された企み、介護中の父親を殺した神父、消えた少女の行方……W県警で起きた六つの事件を描いた警察小説+どんでん返しの連作ミステリ。
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posted at 17:27:05
作者はこれまでもミステリ的仕掛けのある作品を幾つか書いているが、本作はその中でも最も本格ミステリ度の高い作品と言っていいだろう。収録作はいずれも女性警官の視点から描いており、作中に度々児童ポルノ、LGBT、3Dモデルなどの現代社会ならではの要素が出てくる点が何ともこの作者らしい。
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posted at 17:27:21
収録作は全編ハズレなしと言ってもいい完成度の高さだが、その中でもベストを選ぶなら痴漢事件を扱った「私の戦い」になるだろう。冒頭からそれとなく匂わせているものの、それがある事実と繋がった瞬間、浮かび上がる真の構図が素晴らしい。
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posted at 17:27:40
次点は作者らしいミステリ的仕掛けが何とも言えない爽快感を生む「ガサ入れの朝」だが、連作としてのオチの付け方が巧い「消えた少女」も捨て難い。本作は警察小説という枠組みの中できっちりと本格ミステリをやってのけた連作ミステリの秀作である。
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posted at 17:27:56
新城カズマ「無謬邸は暁に消ゆ 浪漫探偵・朱月宵三郎2」読了。罪を犯しても罰せられない一族が支配する閉鎖的な村にやって来た真夜たち一行。一族の館に泊まったその夜、真夜と同室の乃乃子に特殊な毒が盛られたが、密室の部屋にいたのは二人だけ。浪漫探偵は真夜の無実を証明することができるのか。
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posted at 20:14:01
浪漫探偵・朱月宵三郎シリーズの二作目。古今東西の推理小説からの引用、山の周囲を螺旋状に麓から頂まで蛇のようにグルグルととりまいた(!)意味不明な館の設定、密室トリックや動機に見られるトンデモなネタの連打は嫌いではないが、いかんせん全てにおいて練り込み不足で説得力に欠けるのが難。
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作者はあとがきで一定の法則に従ってるしヒントも出ているからアリだとしているがそこに肝心の必然性と人物描写が伴っていないため面白そうなネタをただ並べてみただけで終わってしまっている。加えてドタバタラノベ調なのも作者が目指す猟奇と幻想、論理と浪漫とは水と油であり色々残念な作品である。
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2019年01月26日(土)
「PSYCHO-PASS SS Case.1「罪と罰」」観了。一言で言えば宜野座萌え映画。細かいところに目を瞑ればキャラの見せ場に特化しつつコンパクトに纏まった刑事物として悪くない出来だった。あとOPのリミックスは良かったが、EDのリミックスは微妙。
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2019年01月28日(月)
えすのサカエ「探偵明智は狂乱す」4巻読了。完結。前巻の鬼畜な引きから一転、いたって普通の盛り上がりと大団円でやや物足りなさを覚えていたが、最後の最後に意外な真相を用意して、この作品に相応しいエピローグに仕上げた点は評価したい。
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posted at 20:55:35
2019年01月30日(水)
一本木透「だから殺せなかった」読了。大手新聞社の社会部記者に宛てて届いた一通の手紙。それは首都圏全域を震撼させる無差別連続殺人犯からのものだった。送り主は「ワクチン」と名乗ったうえで、記者に対して紙上での公開討論を要求する。「おれの殺人を言葉で止めてみろ」。
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posted at 01:26:18
第27回鮎川哲也賞優秀賞作。帯の選考委員の言葉にあるように本作は新聞社在職経験者としか思えない緻密な描写や高い文章力で読ませる反面、この賞における本格ミステリとしてどうかという点でみると、些か厳しいと言わざるを得ない。
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posted at 01:26:33
メインで動いている登場人物が少ないせいでせっかくのミスリードが機能していないのもさることながら何より色々肝心なところ(犯人の動機に関わる部分やタイトルにもなっているある意外な真相の伏線など)が全て後出しのせいでいまいち説得力に欠けるのが残念。もう少しそちらにも配慮してほしかった。
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posted at 01:26:53
香吹茂之「「犯す人」の事を「犯人」と呼ぶ」読了。山奥の隠れ里のような山比見村で殺人事件が起きた。死体の尿道に竹枝、肛門に竹筒がねじ込まれていたのだ。更に抵抗した跡も無いのに首を折られていた。警察はこの謎を解明すべくプロファイラーを送り込んだが、女学生二人に逆レイプされてしまう。 pic.twitter.com/QW9nqtLn7T
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posted at 23:21:01
あの世にも珍しいエロ漫画本格ミステリ「雄鳴館殺人事件」の続編「山比見村の殺人」全五話の他一編を収録した作品集。帯には「一部で大好評ドM民俗学ミステリー!」とあるが、その一部である自分としてはこうして続編を出してくれたことを大変嬉しく思う。
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posted at 23:21:48
前作「雄鳴館殺人事件」が孤島を舞台にした館物だったのに対し「山比見村の殺人」は山奥の因習が残る村を舞台にした見立て殺人物であり、お馴染みの名探偵・岡佐礼太陽(おかされたいよう)も登場して前作同様、物語を盛り上げてくれる。
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posted at 23:22:45
エロ漫画らしい謎解きの演出で言えば前作の方が優れているものの、本作は本作で舞台設定を活かしたホワイダニットに見るべきところがある。その一方でまさかの(?)社会派ミステリでもあり、設定の掘り下げが前作よりも丁寧なのは好印象。
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posted at 23:22:55
あとがきによると「次も〝エロ漫画でなければ成立しないネタ〟でガンバっていこうと思っています」とのことなので、次回作もこのシリーズかどうかは分からないが期待したいと思う。
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posted at 23:26:06