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麻里邑圭人

@mysteryEQ

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  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2019年01月04日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月4日

青崎有吾「早朝始発の殺風景」読了。始発の電車で、放課後のファミレスで、観覧車のゴンドラの中で、公園のレストハウスで、クラスメイトの部屋で。不器用な高校生たちの関係が、小さな謎と会話を通じて、少しずつ変わってゆく――。五つの短編に書き下ろしのエピローグを加えた青春密室劇作品集。

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posted at 21:18:38

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月4日

ワンシチュエーションとリアルタイム進行をコンセプトにした日常の謎連作。そのコンセプトが成功しているかと言われると正直微妙なところでクリスティーなどの密室劇に比べると展開にあまり起伏がなく、ミステリとしてもあっさり風味なので人によっては特に印象に残らず終わってしまうかもしれない。

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posted at 21:18:53

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月4日

唯一表題作のみがそれなりのロジック的やり取りで魅せてくれるが、一番意外だったのがタイトルの殺風景の意味だったという時点で半分出落ち感が強い。個人的には作者のファン以外はお勧めしにくい作品である。

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posted at 21:19:35

2019年01月05日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月5日

笹沢左保「殺人者」読了。西洋給食社長・半沢慎太郎が東京の自宅で撲殺された。親友・半沢の突然の死に毎陽新聞小松支局長・神明寺道夫は事件の解明をめざすが、入院中のため追及は妻・夏代に依頼。やがて二人は半沢の同棲相手・光家麻鈴に疑惑を持つが、麻鈴には鉄壁のアリバイがあった。

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posted at 17:56:56

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月5日

作者が得意とするアリバイ物。と言っても本作の見所はアリバイトリックよりもむしろ動機と事件の焦点となる二人の女の関係性だろう。前者は作者らしい外連味のあるものでニヤリとさせられるし、後者は家政婦をなぜ突然首にしたか?という謎と結び付くことである因縁を絶妙に浮き彫りにしている点が◯。

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posted at 17:57:16

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月5日

また物語としても道夫の病状の悪化がある意味タイムリミットサスペンスに近い効果を生み出しており、加えてサブタイトルの「女を休んだ三人」の意味が分かる結末の余韻もいい。これといった目新しさはないが、所々に笹沢左保という作家の巧さが感じられる快作である。

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posted at 17:57:43

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月5日

笹沢左保「霧の疑惑」読了。八王子の廃屋から日時も殺害場所も異なる三人の女の他殺体が発見された。世間が騒ぐ中、神尾亜美は父が犯人かもしれないという不安に戦いていた。いずれも水曜日の犯行日に父はアリバイがない。不審な父の行動に一家がパニックに陥った時、第四の殺人が発生した――。

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posted at 17:58:18

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月5日

父親が連続猟奇殺人の犯人かもしれないという疑惑に取り憑かれた家族を描いた長編ミステリ。「この作品では〝家族の絆〟というものを底流に据えてみた」とは本作に対する作者の弁だが事実、本作の八割が父親への膨れ上がる疑惑とそれによって崩壊の危機にさらされる家族の物語に費やされている。

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posted at 17:58:37

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月5日

その結果、事態の収束として機能するのが探偵役による謎解きではなく家族会議という点が面白い。それでいてミステリらしい意外性もきちんと用意されており急転直下で明かされる真相にはかなりビックリさせられるだろう。本作は探偵役不在のミステリという破格の構成と家族小説の融合が光る良作である。

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posted at 17:58:57

2019年01月09日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月9日

山田正紀「ブラックスワン」読了。世田谷の閑静な住宅街にあるテニスクラブで白昼、女性の焼死事件が発生した。ところが捜査を進めていくうちに焼死した橋淵亜矢子は十八年前に行方不明になっていたことが判明。当時女子大生だった彼女に一体何が起こったのか? 焼死事件とのつながりは何なのか?

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posted at 09:20:50

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月9日

SFの書き手として知られていた作者が初めて手掛けた長編ミステリ。十八年前に失踪していた女性の焼死という謎も魅力的だが、それ以上に目を惹くのは四つの断章と四つの手記を巧みに活かしたその構成だろう。

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posted at 09:21:10

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月9日

本作で使われているトリックの一つはミステリを読み慣れている人間であればある描写から察しがつくかもしれないが、本作がどのような物語の構造になっているかに関しては前述した構成によって容易に見通せないようになっている。

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posted at 09:21:18

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月9日

そしてその全貌が分かると同時に見えてくる失われた青春のドラマが物語の根底に流れる「白鳥の湖」と相俟って実に沁みるのがいい。その一方で作者のアリバイ物に対するスタンスと探偵役の扱いが興味深い佳作である。

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posted at 09:21:25

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月9日

北山猛邦「千年図書館」読了。死後の世界と禁忌の谷に心を囚われた少女、村で凶兆があるたび若者が捧げられる図書館、地球侵略中の異星人に遭遇した大学生、大きく奇怪な墓を村のあちこちに建てる男爵、弾いてはいけない呪われた曲……ラスト一行まで何が起こるか分からない五つの物語。

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posted at 23:12:03

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月9日

ラスト一行に拘った、全五編の短編集。「「私たちが星座を盗んだ理由」の衝撃、再び!」と帯にあるように収録作の傾向は「私たちが星座を盗んだ理由」と似ているが、ミステリとしての切れ味は「私たちが星座を盗んだ理由」に比べると今一歩及んでいないように思う。

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posted at 23:12:37

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月9日

個人的な印象としては途中で読めるのが二編、サプライズというよりオチを巧くつけたものが二編、唯一推すとするなら「私たちが星座を盗んだ理由」で言うところの「妖精の学校」的位置付けの表題作で、どことなく蘇部健一の短編に近い見せ方であっと言わせてくれる。

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posted at 23:12:52

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月9日

とはいえ全体的にあまりミステリっぽい感じはなく、どちらかというと特殊な世界観の物語として読んだ方が楽しめる作品である。

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posted at 23:14:06

2019年01月11日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月11日

深谷忠記「AIには殺せない 東京~出雲殺人ライン」読了。寝台特急「サンライズ出雲」の車中で絞殺死体となって発見された夏目冴子。その数日後、冴子の友人である越裕美がお台場のホテルで刺殺された。壮&美緒が究極のアナログ殺人(アリバイトリック)に挑む。

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posted at 02:24:25

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月11日

黒江壮と笹谷美緒の素人探偵コンビが活躍するシリーズの一作。本作は究極のアナログ殺人がテーマということであえて対極とも言えるAIをタイトルに持ってきていると思われるが、作品の内容的にAIが全く関係ないのが少々気になる。

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posted at 02:25:00

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月11日

それはさておき複雑に見える事件がシンプルに解き明かされる点は悪くないが、究極のアナログ殺人を最初から謳ってしまっているがために登場人物の設定からかなり早い段階で真犯人とトリックにどんなものが使われるのかある程度見当がついてしまうのが難。

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posted at 02:25:10

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月11日

また第二第三の事件について犯人を追い詰めきれないまま終わってしまっているせいで、どうにもスッキリしない読後感が残るところは賛否が分かれるかもしれない。

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posted at 02:25:25

2019年01月17日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月17日

風見潤「時の追跡者」読了。未来人による熱線銃を使った殺人「時の重み」、源平合戦の裏に隠されたある企み「呪われた都より」、江戸時代の奇妙な幽霊騒動と連続殺人「いろは殺し」……時間犯罪者を追って様々な時代を股に掛けるタイム・パトロールJ・Jこと神宮城太郎の活躍を描く三編を収録。

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posted at 01:04:53

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月17日

タイム・パトロールJ・Jシリーズの一作目にあたる連作SFミステリ。本作に収録された三編はいずれも作者がかつて同人誌に発表した短編が原型となっており(ちなみに「時の重み」は作者が初めて書いた小説とのこと)、そういう意味では作者の処女作と言っていいかもしれない。

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posted at 01:05:05

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月17日

ベストはやはり「時の重み」で、なぜ犯人はあえて熱線銃を凶器に使ったのかというホワイダニットと二転三転する物語に織り込まれたタイトルの意味が秀逸。「呪われた都より」も設定的に気になるところはあるものの、ある有名な歴史上のエピソードを巧くSFとして活かしている。

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posted at 01:05:13

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月17日

そして「いろは殺し」もまた有名な歴史上のエピソードに取り入れた某古典ミステリネタが魅力的だが、雑な解決と取って付けたような連作オチが残念。とはいえ「時の重み」と「呪われた都より」だけでも読む価値はあるだろう。

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posted at 01:05:23

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月17日

風見潤「時の侵略者」読了。作家・神宮次郎として20世紀の日本で暮らすことになったJ・Jが知り合った美少女・朝倉かがりは謎の老婆に怯えていた。彼女が殺された時、J・Jは山形から北陸へ向かい、失踪した彼女の双子の姉の行方と事件の謎を追うことになる――。

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posted at 02:01:29

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月17日

タイム・パトロールJ・Jシリーズの二作目。短編集だった前作に対し長編である本作は終盤までSFというより現実世界が舞台のトラベルミステリ(作者自身はあとがきでハードボイルド形式と言っているが)の趣が強く、前作と同じイメージで読もうとするとやや面食らうかもしれない。

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posted at 02:01:43

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月17日

ただその試みが巧くいっているかと言われると微妙なところで、終盤になって唐突に出てくるSF要素が却って浮いてしまっているように思うし、最後のフーダニットに関しては意外性はある反面、その根拠となるものが今となってはどうしても隔世の感が否めないだろう。

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posted at 02:01:51

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月17日

大谷羊太郎「邪魔な男」読了。横地邦生の婚約者・河内三枝子が一人旅に出た水上温泉で他殺体で発見された。邦生は三枝子の親友・桃谷順子と共に犯人探しを始める。やがて三枝子の数多い男性関係の中に一人の男が浮かび上がった。だが、その男には犯行時刻、東京の自宅にいたという鉄壁のアリバイが――。

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posted at 23:39:10

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月17日

後に「真面目すぎた男」「生れ変った男」「濡衣を着る男」と続いていく「男」四部作(?)の第一弾。粗筋だけみるとよくあるアリバイ物のように見えるがさに非ず。物語が進むにつれアリバイ物は別の趣向に取って代わられ、様々な人間の思惑を絡ませながら次々と変貌を遂げていくプロットが実に楽しい。

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posted at 23:39:28

麻里邑圭人 @mysteryEQ

19年1月17日

そして終盤に起こる殺人事件こそが本作一番の見せ所であり、それまでの展開があるからこそ引き立つ皮肉な愛の形が何とも忘れ難い印象を残す。いい意味で捉えどころのないプロットからの見事な着地が決まった良作と言っていいだろう。ちなみに光文社文庫の内容紹介が一部ネタバレしているので要注意。

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posted at 23:39:38

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