麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2019年08月23日(金)
小島正樹「ブラッド・ブレイン3 闇探偵の旋律」読了。厳戒態勢の脳科学医療刑務所は殺人事件をきっかけにコントロール不能になっていた。闇探偵・月澤凌士と刑事の百成完は閉鎖空間で囚人たちと脱獄を賭けた死闘を繰り広げることになる。その中で月澤が連続殺人鬼となった悲しき過去が明らかに――。
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posted at 22:10:55
「闇探偵」月澤凌士シリーズの三作目にして完結編。本作は大まかに月澤の過去が明かされる前半パートと囚人たちと脱獄を賭けた死闘を繰り広げる後半パートに分けられるが月澤の過去に関しては長々引っ張った割りに所々ご都合展開が目立つ安っぽい復讐譚でしかないのは正直肩透かしと言わざるを得ない。
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posted at 22:11:14
一方、囚人たちとの死闘を描いた後半パートに関して言えば作者らしい不可能犯罪物を求めていた読者は戸惑うかもしれないが作者が近年書いた忍者短編と同じノリだと思えば楽しむことができるだろう。本作は前半にやや難があるものの、それさえ目を瞑ればいつもと違った小島正樹が楽しめる作品である。
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posted at 22:11:39
2019年08月28日(水)
早坂吝「犯人IAのインテリジェンス・アンプリファー」読了。人工知能探偵・相以に敗れた人工知能犯人・以相は人間の知能を増幅させ完璧な共犯者を造り、相以に挑戦状を叩きつけた。ゴムボートで漂着した死体、密室で殺された漁協長、首相公邸の殺人。連鎖する不可解な事象に仕掛けられた罠とは?
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posted at 19:44:33
探偵AIシリーズの二作目。連作短編だった前作から打って変わって長編となった本作は、某国を巻き込んだ長編ならではのスケールの大きな事件を扱っているが、基本的に前作を踏まえた物語になっているため必ず前作を読んでから本作を読むことをお勧めしたい。
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posted at 19:44:49
本作の事件の中心となっているのは前作から登場しているある人物なのだが、本作では事件を通してその人物の心情を更に踏み込んで描いているのがいい。また本作ならではの設定を巧く使ったロジックも○で、余剰解潰しも徹底したその緻密さは前作以上と言っていいだろう。
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posted at 19:45:09
そしてそこから怒濤の伏線回収と結び付いて、それまで隠されていた犯罪やこれまたスケールの大きなトリックが次々と暴かれていくのは痛快の一言。尤も盛りだくさん過ぎて一部不発気味の仕掛けもあるが、それを差し引いても奇想を絡めた最先端の探偵と犯人の対決を十二分に見せてくれる秀作である。
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posted at 19:45:16
2019年08月31日(土)
島田荘司「盲剣楼奇譚」読了。昭和二十年九月、金沢の芸者置屋・盲剣楼で乱暴狼藉の限りを尽くした五人の男たちが出入り口も窓も封鎖されて密室状態となった中で一瞬にして斬り殺された。それは伝説の剣客・盲剣さまの仕業だったのか。七十余年を経て起きた誘拐事件を機に斬殺事件の真相が明かされる。
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posted at 14:06:45
吉敷竹史シリーズ久々の新作……なのだけど、正直吉敷シリーズである意味があったのかと問われれば些か疑問が残ると言わざるを得ないし、何より本格ミステリとして期待して読むと拍子抜けすることになるだろう(尤もそれに関しては近年の島田作品の大半が当てはまるかもしれない)。
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posted at 14:07:13
しかしながら本作を島田荘司流の痛快剣客小説と考えれば、かなり面白い。事実、長大な物語である本作の三分の二を占めているのが盲剣さまが主役の剣客小説パートであり、そこに作者お馴染みの豪腕ぶりを見て取ることができる。
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posted at 14:07:28
剣の腕が必要とされていない時代を舞台に、剣を頼りに行き続ける目的を模索する主人公。時に様々な美女に言い寄られるハーレム展開(!)もあるが、その剣客らしい生き様に少しでも興味がある読者であれば間違いなく楽しめる作品である。
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posted at 14:07:43
「映画 この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説」観了。映画だけあって作画レベルがTV版よりも格段に上がっているのは勿論だが、それ以上にこのすばらしいギャグ展開をベースにしつつもキャラ萌えと劇場版ならではの熱さを絶妙にブレンドした内容が最高だった(個人的な満足度で言えば天気の子以上)。
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posted at 21:35:36