麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2020年04月29日(水)
岩崎正吾「探偵の秋あるいは猥の悲劇」読了。自殺した甲府有数の名士・八田家の当主の一周忌が間近に迫り、遺族によって追善興行が計画された。耳の遠い老優が八田家を訪れて間もなく、連続殺人の幕が切って落とされる。当主が遺した「死のノート」に操られるようにして次々と起こる事件の行方は?
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posted at 17:35:00
「探偵の夏あるいは悪魔の子守唄」に続く古典ミステリの本歌取りシリーズ《探偵の四季》の二作目。今回はタイトルにある通り「猥(わい)の悲劇」もとい「Yの悲劇」を元にしているが、読んでいるとクイーンの他の作品の要素もちらほらと見受けられる。
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posted at 17:35:44
とはいえクイーン作品とは異なり本作ではロジックを特に意識していないため、そちらを期待すると些か物足りないかもしれない。しかしながら本作ではあるクイーン作品の要素を巧く仕掛けとして盛り込んでおり、最後まで読むと「成る程、そうきたか」と思わずニヤリとなるに違いない。
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posted at 17:36:12
その一方で興味深いのは最後に明らかになる「猥の悲劇」を体現した事件の構図で、ある意味前作の横溝とクイーンのハイブリッドと言えるかもしれない。本作は元ネタを知っている人ほど楽しめる秀作である。
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posted at 17:36:43
2020年04月30日(木)
岩崎正吾「探偵の冬あるいはシャーロック・ホームズの絶望」読了。事件は二つある。禿頭とイヌにまつわる事件なんだ――。落馬事故後の意識喪失状態からシャーロック・ホームズとして蘇生した男の許へ舞い込んだ不可解な謎はやがて宿敵であるあの男との対決へと繋がっていく。
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posted at 17:37:58
「探偵の夏あるいは悪魔の子守唄」から始まる古典ミステリの本歌取りシリーズ《探偵の四季》の三作目。前作とは打って代わって連作形式となった本作はタイトル通りホームズ物を元ネタにしているが人によっては舞台が横浜ということもあり、御手洗潔シリーズを思い出すかもしれない。
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posted at 17:38:48
但し本歌取りがミステリ的仕掛けとして巧く結び付いていた前作に比べると本作はそれほど効果的とは言い難いし、個々の事件にしても脱力感が否めず悪い意味でトホミスになってしまっている。率直に言って前作よりも数段劣る、残念な作品である。
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posted at 17:39:04