麻里邑圭人

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  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2020年04月20日(月)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月20日

本岡類「猫派犬派殺人事件」読了。早朝ジョギング中の主婦が草むらの中で愛犬家の男性の刺殺体を発見した。その三日前には児童公園で、付近でも有名な“猫ばあさん”が何者かに撲殺されていた。警視庁随一の犬好き釜本警部補は猫好きの芦田刑事と共に、犬と猫の気持ちになりきって犯人を追うが……。

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posted at 18:47:19

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月20日

タイトルにある通り、猫派と犬派の視点に拘った長編ミステリ。一見すると凸凹コンビによるユーモア捜査小説風だが、読んでみると意外にも(?)密室など様々なトリックが盛り込まれており、しかもそれらにもしっかりと猫派犬派の要素が活かされているのが好印象。

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posted at 18:48:29

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月20日

中でもとりわけ目を惹くのは冒頭の二つの事件の扱い方で、ある証言により一変する展開と捜査が進むにつれて見えてくる事件の構図が◯(そして、ここにも猫派犬派の要素がしっかりと活かされている)。本作は細かい気付きに至るまで徹頭徹尾タイトルに偽りなしの内容で楽しませてくれる良作である。

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posted at 18:49:04

2020年04月21日(火)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月21日

宮ヶ瀬水「三度目の少女」読了。大学生の関口藍は前世・前前世の記憶を所持して生まれてきたという少女・伊藤杏寿と出会う。彼女の生まれ変わりを防ぐため、前前世の少女・木綿子の生家である館を訪ねるが、その翌朝には当主の毒殺死体が発見され、現場には木綿子の署名が残されていた。

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posted at 17:58:15

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月21日

第十六回『このミステリーがすごい!』大賞の隠し玉として出版された特殊設定ミステリ。自分は三度目の生まれ変わりであると主張する少女と共に幽霊が棲む洋館で殺人事件の謎を解くという内容とキャラ描写自体は悪くないのだけど、いかんせん後半になるにつれ色々と粗が見えてくる。

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posted at 17:58:43

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月21日

まず主人公のトラウマとその絡ませ方、前前世の少女・木綿子の虐待の理由などプロットや設定に見える強引さもさることながら特殊設定ミステリとしてもルールが明確でないせいか、そういう解釈もできるという都合のいい推理の進め方で読んでいて非常にモヤモヤする。

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posted at 18:03:18

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月21日

更に犯人の行動にも一部釈然としないものがあるし過去の殺人事件の動機にしても取って付けた感が否めない。結果的に微妙な読後感になってしまったが、途中までは良かったので次回作に期待したい。

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posted at 18:03:38

2020年04月22日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月22日

司城志朗「街でいちばんの探偵」読了。私立探偵・天白五郎は二人の女性の依頼を立て続けに受けトラブルに巻き込まれた。毬子と名乗った美女は闇金融業者を彼におしつけて行方をくらます。名門校のお嬢様・優花が取り戻してくれと頼んだ携帯電話を探してみれば、そこには男の射殺体が転がっていた。

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posted at 19:41:18

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月22日

元役者で歩く戦車と称される三十九歳の私立探偵・天白五郎の活躍を描いた本格私立探偵小説。実際途中までは主人公を始めとした血の通った登場人物たちが織り成す上質のハードボイルドとして読めるようになっているが終盤で本作は一転とんでもない伏線が炸裂する本格ミステリへと変貌を遂げるのだ。

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posted at 19:41:40

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月22日

作者は本作について「登場人物ひとりひとりのキャラクターにアイデアとトリックを詰め込んだ」と語っているが事実、各登場人物には秘められたドラマの奥深さがあり、これでもかとばかりに縺れた事件を解きほぐしていく過程で明らかにされていくそれらが物語に豊潤さを齎してくれる。

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posted at 19:41:56

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月22日

そして同時に豊潤な物語が真相の目眩ましとして機能しており、特にある証拠品が持つ意味合いが最後の最後で反転し意外な犯人を浮かび上がらせた瞬間には思わず唸らされることだろう。それでいて結末の主人公の行動には本格ミステリの探偵役では決して味わえない爽快さがあるのも実にいい。

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posted at 19:42:15

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月22日

「着想の元は主人公の私立探偵。この主人公に出会うために、もしかすると二十年、えんえんと小説を書いていたのかも知れない。(中略)心血のすべてを注いだ渾身の一作。」とは作者の弁だが、本作はその言葉に偽りない、ハードボイルドと本格ミステリが絶妙に融合した傑作である。

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posted at 19:42:33

2020年04月23日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月23日

伊勢ともか/久園亀代「代闘士ハイコの事件簿」1巻読了。代闘士という探偵役の一風変わった設定が目を惹くファンタジー本格ミステリ。第1話「騎士圧殺事件」は最初の事件にしては地味ながら細やかな手掛かりが光る良作。第2話「服従魔法殺人事件」も途中で終わってしまうものの感触は悪くない。

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posted at 08:59:32

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20年4月23日

斎藤栄「乱歩幻想譜」読了。江戸川乱歩は小説の筆に行き詰まると飄然と旅に出た。パノラマ島、密室で殺された蜘蛛男、猟奇の部屋、ホテルでの不可解な殺人、盲人の奇妙な趣味、地下牢で繰り広げられる淫靡な光景、そして……とりとめもなく描かれる乱歩世界に纏わる物語は一体どこへ向かうのか?

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posted at 19:13:44

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月23日

正直、感想に困る作品。乱歩自身が、乱歩作品をモチーフにした様々な出来事に遭遇するというその内容は一見すると魅力的に思えるが、その実態は乱歩作品の足元にも及ばないクオリティーのエログロシーンが淡々と味気ない文章で綴られていくだけなので、面白みも何もあったものではない。

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posted at 19:14:22

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月23日

一応ミステリ要素もないわけではないが、そこに期待すると肩透かしもいいところだし、物語としても実にとりとめがなく正直何がしたかったのかよく分からない。もしこれがタイトルにある「幻想」と言うなら思いっきり間違っていると言わざるを得ない作品である。

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posted at 19:14:39

2020年04月24日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月24日

岩崎正吾「風よ、緑よ、故郷よ」読了。刺殺された父は盗まれた埋蔵金の地図の切れ端を固く握り締めていた。月日は過ぎ、事件が時効を迎えようとする中、刈谷正雄は十年ぶりに故郷に帰り、父の死の謎と向き合うことを決意する。父は本当に地図を盗んだのか? そして父を殺した犯人とは誰なのか?

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posted at 18:15:43

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月24日

時効寸前の父殺しの真相を探る田園ミステリシリーズの一作目。特筆すべきは何といっても爽やかな風のように染み入る文体で綴られるノスタルジーに満ちた物語であり、加えて源じいを始めとした生き生きと描かれている登場人物たちにはどこか故郷の懐かしい人々に出会ったような心地良さがある。

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posted at 18:17:22

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月24日

ミステリとしてみると、本作は読者に謎を解かせることをあまり意識して書かれていないものの、物語としての伏線はきっちり張っているので提示される真相には説得力がある。特に最後に明かされる犯人の正体には主人公の立ち位置と相俟って過ぎ去った青春ミステリらしい苦みがあるのがいい。

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posted at 18:17:57

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月24日

本作はミステリとしての目新しさこそないものの、読む者に郷愁の念を抱かせる回想の殺人物の佳作である。

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posted at 18:18:15

2020年04月26日(日)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月26日

岩崎正吾「恋の森殺人事件」読了。早春の山里を襲った白昼の銃撃事件。一度目は野猿公園にやってきた女子高生たちが、二度目は祭りの最中に太鼓叩きの老人が相次いで狙撃されたのだ。事件の解明に乗り出した椿屋敷の跡取り・刈谷正雄は、やがて奇妙な片腕の男が事件の鍵を握っていると睨むがーー。

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posted at 13:34:43

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月26日

「風よ、緑よ、故郷よ」に続いて、椿屋敷の跡取り・刈谷正雄が探偵役を務める田園ミステリシリーズの二作目。といっても本作には前作のようなのどかな田園感(?)はあまりなく、どちらかというと山を舞台に内容紹介に書かれている「人間と自然」というテーマを描いているように思う。

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posted at 13:35:28

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20年4月26日

本作について作者は「数あるミステリの中で、この小説の結末があまり例のないものであることには自信があります」と語っているが、その言葉通り本作には唖然とするような真相が待っている。見ようによってはとんでもないバカミスであり、それはタイトルの意味が分かるとより強調されることだろう。

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posted at 13:35:44

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20年4月26日

勿論その真相がただ奇をてらっただけではないことは読めば一目瞭然なのだが、人によってどう捉えるかは大きく分かれるに違いない。少なくとも前作のようなものを期待すると呆気に取られること請け合いの問題作である(個人的には好き)。

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posted at 13:36:02

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月26日

「HOUSE」観了。オーソドックスなお化け屋敷物ながら前衛的かつ演劇風な見せ方とやりたいことを詰め込んだと言わんばかりのジャンルミックス要素によって今見てもかなり独自性の高い作品に仕上がっている。ただ見た目に反してスプラッターシーン多めの内容とあんまりな結末にはちょっと驚いた。

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posted at 20:14:04

2020年04月27日(月)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月27日

岩崎正吾「夜叉神山狐伝説」読了。信玄隠し湯から源じいが突然、消えた。椿屋敷の跡取り・刈谷正雄は源じいの足跡を追って富士山麓に潜入するが、粉雪舞う山中で何者かに襲われ、危うく命を落としそうになる。そして、それをきっかけに彼は謎の集団「山の衆」と妖狐の死闘に巻き込まれていく。

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posted at 18:36:55

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月27日

「風よ、緑よ、故郷よ」から始まる、椿屋敷の跡取り・刈谷正雄を主人公とするシリーズの三作目。前作「恋の森殺人事件」も一作目とはだいぶ毛色が異なる作品だったが、三作目の本作ではあろうことかミステリですらなくなって西村寿行的山岳冒険ロマン(!)になってしまったのにはさすがに驚いた。

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posted at 18:37:13

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月27日

一応物語として楽しめなくはないが、正直なところ、どうしてこうなった感は否めない。しかもそれは作者も同じらしく「この人々(『風よ、緑よ、故郷よ』の主要登場人物三人)がどこまで行こうとしているのか、それは作者の私にもわかりません」と作者の言葉で語っているのだから始末が悪い。

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posted at 18:37:41

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月27日

本作はあくまでミステリでなくてもいいからシリーズの続きが読みたいんだという読者にしかお勧めできない、かなり人を選ぶ作品である。

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posted at 18:38:06

2020年04月28日(火)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月28日

岩崎正吾「闇かがやく島へ」読了。「島に行け」という祖母の遺言に従い、主人公の青年・大地は島へ渡ることにした。しかし彼が到着するやいなや、島の人間が何者かに次々と殺され始め、彼の許に謎の脅迫文が届く。自分と一連の事件の間に関わりを感じた彼は犯人を探し出すべく立ち上がる。

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posted at 18:18:49

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月28日

祖母の謎めいた遺言に従い孤島を訪れた青年が連続殺人に巻き込まれる長編ミステリ。「風よ、緑よ、故郷よ」と同様、本作もまた主人公は勿論のこと、島に住む人々が生き生きと描かれており、それが事件の悲劇性に拍車をかけているのがいい。加えて時代設定が事件の真相に説得力を与えているのも◯。

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posted at 18:19:30

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年4月28日

その一方で本作は「風よ、緑よ、故郷よ」の姉妹編とも言うべき側面を持ち合わせている。「風よ、緑よ、故郷よ」を読んでいると主人公の立ち位置から真相に至るまで、見事なまでに対になっていることに気付かされるだろう。本作は「風よ、緑よ、故郷よ」と比較して読むとより一層楽しめる良作である。

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posted at 18:19:53

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