麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2021年09月30日(木)
夕木春央「サーカスから来た執達吏」読了。大正十四年。樺谷家の三女・鞠子は莫大な借金の担保として連れ去られたばかりか借金の取り立てに来たサーカス出身の少女・ユリ子と共に「財宝探し」をすることになる。そんな二人の前に立ちはだかるのは暗号と十四年前に密室から消失した財宝の謎だった。
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posted at 21:32:32
「絞首商會」で第60回メフィスト賞を受賞した作者の二作目となる時代本格ミステリ長編。まず秀逸なのは元サーカス芸人の借金取りという探偵役ユリ子のキャラでその経歴を活かした冒険活劇もさることながら彼女に触発されて徐々に自分の生き方を見直していく鞠子の成長物語としても楽しめるのがいい。
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posted at 21:33:05
それでいてミステリとしても抜かりがなく、てっきり財宝探しメインでそれにちょっとした不可能犯罪を付け加えただけの話かと思いきや終盤の謎解きでバリバリの本格ミステリへと変貌。怒涛の伏線回収と共に明かされる財宝と不可能犯罪が密接に絡み合ったばかりか奇想まで交えた事件の構図には吃驚仰天。
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posted at 21:33:27
正直ここまでの仕掛けを隠し通した技巧には脱帽の一言であり、加えて物語の着地も申し分ない。実をいうと作者の前作「絞首商會」はミステリとして光る部分はあれどそこまで評価はしていなかったのだが本作に関しては前作を大きく上回る完成度で確実に化けたと感じさせてくれる傑作と言っていいだろう。
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posted at 21:33:44
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