麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2023年04月25日(火)

鵜飼有志「死亡遊戯で飯を食う。3」読了。クリア回数30超えの強豪が集う44回目のゲーム〈クラウディビーチ〉。そこで見たものはあの忌まわしき殺人鬼を彷彿とさせるバラバラに刻まれた遺体だった。犯人を探すべく絶海の孤島を駆け回るプレイヤー達だったがそれを嘲笑うかのように新たな犠牲者が……。
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デスゲームの常連プレイヤー・幽鬼のデスゲームという非日常の日常を描いたシリーズの三作目。常に二つのゲームを取り上げていた前二作とは異なり今回は〈クラウディビーチ〉という一つのゲームに絞って描いている点もさることながら、これまでで最もミステリ度の高い作品になっているのが興味深い。
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posted at 21:17:08

その〈クラウディビーチ〉の内容を一言で言えば孤島を舞台にしたクローズドサークルミステリであり、シチュエーション的には王道中の王道と言っていいだろう。にも拘わらずそれを巧くこのシリーズらしさでアレンジし、独自色の強いクローズドサークル物に仕上げている点がまず好印象。
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posted at 21:17:08

しかも普通のミステリ好きが読んだら怒りそうな真相なのにシリーズ物であることを最大限に活かした伏線でそれを強引に成立させてしまった点が実に素晴らしい。本作はシリーズファンでミステリ好きなら喜ぶこと請け合いの仕掛けが堪能できる良作である。
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2023年04月27日(木)

島田荘司「ローズマリーのあまき香り」読了。1977年10月、世界的バレリーナのフランチェスカ・クレスパンが密室内で撲殺された。事件現場となったのは高層ビルにある劇場の控え室。だが観客の証言で彼女が死後も踊り続けていたということが明らかになる。この奇妙な事件の謎に名探偵・御手洗潔が挑む。
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名探偵・御手洗潔が死後も躍り続けた伝説のバレリーナの謎を解き明かす長編ミステリ。作者自身が本格の原点に立ち返ったと言うだけあって謎は魅力的、更に作者の十八番である幻想的な挿話や二十年以上の時を経て起きる不可解な強盗事件の謎も加わり否応なしに真相に対する期待感が高まることだろう。
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しかしながら謎が魅力的であればあるほど最後に示される真相のガッカリ感はかなりのもので、まさか真相まで原点に帰るとは……と呆然となる読者も少なくないことだろう。とはいえ端から本格として期待せず、ホームズ的な冒険小説と割り切って読めば大いに楽しめる作品である。
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2023年04月29日(土)

「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」観了。一言で例えるなら観るアトラクション。歴代マリオゲームの要素をバランス良く取り入れ原作ゲームをやったことがある人間なら誰もが抱くマリオ像を徹頭徹尾、完全再現しているのが凄い。観終わった後、無性にゲームのマリオがやりたくなってしまったw
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posted at 15:31:22
2023年04月30日(日)

夕木春央「時計泥棒と悪人たち」読了。死に瀕した実業家が建てた美術館の謎、悪人一家が住む館での奇妙な密室殺人、大雪の日に起きた誘拐と足跡なき殺人、不可解な手紙と結婚に隠された秘密、航行中の船に潜り込んだ殺人鬼、相次ぐ宝石泥棒の正体と動機。激動の大正を舞台に元泥棒探偵の推理が冴える。
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作者のデビュー作「絞首商會」でも活躍した元泥棒の蓮野が探偵役を務める連作ミステリ。本作に収録された六つの事件はバラエティーに富んだ内容であるのもさることながら、いずれも逆説に満ちており、それが設定と密接に結び付いて読者に何らかの驚きを齎してくれるだろう。
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posted at 12:04:37

収録作はどれも読み応えがあるがホワイダニットという点では追い詰められた人間の身勝手さが良く表れた「加右衛門氏の美術館」「悪人一家の密室」も捨てがたいが、ベストを挙げるならそれらとは対極とも言える連城的動機とラスト一行が光る「晴海氏の外国手紙」を推したい。
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posted at 12:04:38

またフーダニットという点ではアンモラルな舞台を活かしたロジック(と動機)が印象的な「光川丸の妖しい晩餐」と、ハウダニットとロジックを巧く絡ませつつ連作のトリを飾るに相応しい内容に仕上げた「宝石泥棒と置時計」が秀逸。
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posted at 12:42:02
