麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2013年12月10日(火)
加えて本作にはこれまでの作者の作品に出てきた様々な要素が設定に盛り込まれており、ファンであれば色々と感慨深いものがあるに違いない。だが逆を言えば、それらを知らないと些か物語の深みに欠けるきらいがあり、そこを許容できるか否かで評価が分かれる作品である。
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posted at 22:40:27
しかしながら「GOTH」とは違い、本作はどこまでいってもミステリにはならない。あくまで本作はミステリのガジェットを使った青春小説であり、故に本作を青春小説として評価することはできてもミステリとして評価することはできないだろう。
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posted at 22:40:03
本作を読んで自分は改めて詠坂雄二という書き手はミステリ作家ではなく、ミステリ周辺作家なのだなということを再認識した。本作は殺人者志願の少年が殺そうとしている相手である名探偵志願の少女を見守り続ける展開は、どこかしら乙一「GOTH」を思わせるところがある。
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posted at 22:39:51
詠坂雄二「亡霊ふたり」読了。名探偵志願の女子高生は魅力的な謎を求め、日夜努力を積み重ねる。彼女はボクシング部所属の男子高生を自らの探偵活動に付き合わせるが、彼女は知らなかった。彼が卒業までに人を一人殺そうと計画している、殺人者志願の少年であることを。
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posted at 22:39:13
2013年12月09日(月)
但し現実には起こっていない要素を持ってくるのは少々アンフェアな気もする。また個々の謎と真相は大したものではないが、謎が解かれることにより人々の心を救っていく構成はボランティアというテーマに合っていて○。本作はハートウォーミングな物語とミステリ的仕掛けを巧く両立させた良作である。
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posted at 23:16:08
災害ボランティアバスに関わった人々の心の秘密を明らかにしていく六話構成の連作ミステリ。本作をミステリとしてみるなら、見所はやはり最後に待ち受ける連作ならではの仕掛けということになるだろう。仕掛け自体は定番ではあるものの、ミスディレクションをきかせて、それと気付かせない巧さがある。
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友井羊「ボランティアバスで行こう!」読了。大学生の和磨が企画した災害ボランティアバスには様々な人たちが乗り合わせていた。罪の意識に苛まれる会社員。人助けに燃える女子高生。教え子を弔いに向かう元教師。そして、ある事情から逃亡している謎の男……それらが繋がる時、驚愕の真相が明らかに。
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2013年12月06日(金)
ミステリとしてみると猟奇殺人犯の正体が分かりやすいのが難点だが、それだけでは終わらずにちゃんと意外な構図を用意しているのは好印象。ある意味古典的な手ではあるものの、そこに現代的なアイディアを盛り込むことにより、今の時代にあった本格に仕上げている。
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posted at 23:35:51
女刑事・如月塔子と十一係のメンバーが猟奇殺人に挑むシリーズの五作目。今回もまた殺伐とした事件の合間にさりげなく塔子タンの萌えシチュエーション(152.8センチの塔子タンがポンプ車の屋根に引っ掛かったレジ袋に手が届かず、ぴょんぴょん跳び跳ねるなど)が盛り込まれているのが実に心憎い。
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麻見和史「聖者の凶数 警視庁捜査一課十一係」読了。東上野のアパートの一室で見付かった男の死体は無惨にも硫酸で顔を消されていた。現場に残されていたのは死体の腹部に書かれた《27》という数字と狩りの守護聖人が描かれたポストカード。捜査陣が被害者の身元の特定を急ぐ中、第二の殺人が……。
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2013年12月05日(木)
しかしながら個人的にはこのタイプの作品は乾くるみに向いていない……というか、ぶっちゃけ面白くない(爆)。唯一「《せうえうか》の秘密」のみは作者が得意とする暗号を駆使して、乾くるみ版氷菓というべき作品に仕上げているが、どうもこれ一編で作者が力尽きた印象がある。
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posted at 21:28:33
乾くるみが米澤穂信の古典部シリーズを書いたらこんな感じになりました、というような短編集。といってもいつもの乾作品に見られるような黒さは一切なく、意外にも(?)内容紹介にあるような「楽しくてやがて切ない青春本格ミステリー」を目指して書かれている。
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posted at 21:28:10
乾くるみ「北乃森高校探偵部」読了。京都府宇治市にある名門・北乃森高校で校歌や応援歌のように歌い継がれてきた歌「逍遥歌」。生徒に親しまれているその歌詞が実は書き変えられているという。いつ、誰が、どんな理由で?……「《せうえうか》の秘密」ほか北乃杜高校探偵部の面々が活躍する三編収録。
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posted at 21:27:25
一方、後者のトリックも大胆な発想で面白いが、それが解けることによって暗殺計画のヒントとしても機能するのは○。本作はミステリとしてはもとより、タイムリミットサスペンスの要素を取り入れることにより中盤から一気読み必至の盛り上がりを見せる、エンタメとしても配慮が行き届いた作品である。
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posted at 01:07:42
そしてその計画を阻止せんとする者たちとの攻防もさることながら、特筆すべきは何といっても五右衛門たちに協力する謎の人物の正体だろう。それが明らかになると同時に浮かび上がる構図は実に強烈だが、これまで描かれてきた展開を考えれば充分納得がいくものに仕上がっている。
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posted at 01:07:24
時代小説という枠組みの中で、コンゲームと脱獄トリックを両立させた秀作。前者の胆となるのは五右衛門による太閤暗殺であり、その計画の全貌を知る手掛かりが五右衛門という人物を描く中で巧みに配置されているのがまず秀逸。
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posted at 01:06:28
岡田秀文「太閤暗殺」読了。待望の我が子を授かった太閤秀吉が実の甥である関白秀次を疎ましく思っていることに危機感を覚えた秀次の側近・木村常陸介は、京都所司代・前田玄以に追われていたところを匿った大盗賊・石川五右衛門に太閤の暗殺を依頼する。迎え撃つ石田三成と前田玄以の秘策とは?
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2013年11月29日(金)
どちらが欠けても成立し得ないこの構図はなかなか面白く、これだけでも一読の価値がある。またこの作者らしい豪快なトリックも健在で、このシリーズだからこそできる無茶なトリックの連打は正に水を得た魚という喩えが相応しい。本作は従来の北山らしさの中に新機軸を打ち出した秀作である。
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posted at 22:12:36
北山猛邦が手掛けるゲーム「ダンガンロンパ」のスピンオフシリーズ第二弾は、クローズドテーマの連続殺人とコンゲームが同時に楽しめる異色作。特筆すべきは何と言っても、その二つの要素が有機的に結び付いていることだろう。
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posted at 22:12:01
北山猛邦「ダンガンロンパ霧切2」読了。謎の組織「犯罪被害者救済委員会」の次なるゲームは「探偵オークション」。廃墟と化したホテルを舞台に繰り広げられる不可能犯罪と、殺人鬼の標的から逃れることのできる「探偵権」をかけた熾烈なオークションに霧切響子と五月雨結の探偵コンビが挑む。
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posted at 22:11:37
また悠木まどかというメインヒロインにしてもただの痛いコという印象しかなく「これを読んでまどかちゃんに恋しない男子は、どうかしてる!(本作に寄せられた眞鍋かおりの推薦文)」のであれば、恐らく大多数の男子がどうかしてるということになるだろう。
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posted at 01:12:37
「あたりまえだのクラッカーだろ」「このトウヘンボクのメルシーボクー」……ちなみにこれらはまだほんの序の口である。加えて扱っている事件といえば「お弁当盗難」と「気になるあのコが国語と算数しか受けない理由」というかなり微妙なもので、その真相も正直ミステリを舐めているとしか思えない。
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posted at 01:12:12
以下、幾つか抜粋してみよう。「初めて悠木ジョシを見たときに(中略)〈これって、奇跡?〉GReeeeNのあの歌が頭の中に高らかに響き渡った」「悠木ジョシがその手で持ったストロー、ゲットだぜ!〈ファースト関節キス〉はできなかったけど、〈ファースト関節おててつなぎ〉、ゲットだぜ!」
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posted at 01:12:02
一言でいえば、新潮文庫ご乱心。帯を見ると「胸キュン系バカミスの大傑作」とあるが、ぶっちゃけこれはバカでもなければミステリでもない。それどころか胸キュンですらなく、ただ延々と続くユーモアのかけらもない寒い文章のオンパレードは苦痛を通り越してもはや拷問レベルと言っていいだろう。
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posted at 01:11:52
竹内雄紀「悠木まどかは神かもしれない」読了。学習塾〈アインシュタイン進学会〉に通う小学五年生の小田桐、野田、望月が気になる美少女・悠木まどかには国語と算数のテストだけ受けて帰るという謎があった。「これは事件の匂いがする」――そんな中、教室でお弁当盗難事件が起きて……。
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2013年11月27日(水)
むしろ個人的には怪奇趣味に溢れた探偵小説「人間掛軸」の方が面白く読めた(とはいえ、こちらも盛り上げ方はお世辞にも上手いとは言えないが)。とりあえず幻の作品を読んでみたいというマニア以外は手を出さない方が無難な作品である。
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posted at 22:28:33
しかもそのトリックもどこかで見たものばかりで独創性に乏しいにも拘わらず、作者一人が四次元の密室やら逆密室の殺人やら名付けて勝手に盛り上がっているのもアレ。唯一論証が丁寧なのは好感が持てるが、それだけで本作を読むのは些かキツいと言わざるを得ない。
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posted at 22:28:13
表題作は設定や目次を見ると凄く面白そうなのに、実際読んでみるとかなり地味でびっくりさせられる。ガジェットをただ並べてみたところで面白くないという見本みたいな内容であり、加えて事件発生→捜査→トリックの解明を繰り返す単調な流れは退屈の一言に尽きる。
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posted at 22:28:03
輪堂寺耀「十二人の抹殺者(ミステリ珍本全集2)」読了。「謹賀死年」「死にましてお芽出たうございます」――元旦に届いた殺人予告を機に二つの屋敷で次々と起こる連続殺人に名探偵・江良利久一が挑む表題作ほか私立の庭園にある三つの家で屍体を掛軸のように吊るす事件が続発する「人間掛軸」収録。
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posted at 22:27:25