麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2013年12月23日(月)
単に作者の趣味に過ぎず、故に異世界本格的なものを期待するとかなりガッカリすることになるだろう。とはいえ普通のミステリとしてみても、作者が読者に謎を解かせる気がないとしか思えない展開は興醒めの一言。端からオヤジ趣味の近未来サスペンスと割り切って読むのが吉な作品である。
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posted at 18:52:31
微妙。一応物語としてはそれなりに纏まってはいるものの、正直この世界観に関しては大いに疑問の余地あり。まずこの近未来設定で吉原遊廓を再現する必然性があまり感じられないし、かといってそれがミステリの仕掛けとして活かされているわけでもない。
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posted at 18:52:01
水野泰治「吉原遊廓2039年の殺人」読了。平成51年東京。人間に長寿と健康を齎す王乳の開発に貢献した和久努(ゆめ)太郎総裁が行方不明になり、それから間もなく国際特殊観光地区として江戸時代の遊廓を再現した吉原で怪人21面相を名乗る人物による爆殺事件が発生。二つの事件の繋がりとは?
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posted at 18:51:31
2013年12月21日(土)
ただ個人的な好みで選ぶなら信長のお気に入りである森蘭丸を秘かに想う一人の女中を描いた第五話「近くで見ていた女」。その重すぎる愛には思わずウップオエップとなること請け合いで(爆)オチも女の独り善がりぶりがよく出ていて○。全体的にミステリと思わずに読んだ方が楽しめる短編集である。
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posted at 17:22:39
一応最終話で明かされる「本能寺の変」の真実にしても歴史の新解釈としての面白さはあるものの、ミステリ的な読みどころはあまりないだろう。むしろミステリとしてはコンゲーム的な面白さのある第二話「ふたつの道」の方を推したい。
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posted at 17:22:21
本作の粗筋をみると全編に亘って「本能寺の変」の真実に迫っているかのように思えるが、実際真実に迫っているのは第一話「最後の姿」と最終話「本能寺の夜」の二編のみで、あとは人情話だったり、ホラーだったりとバラエティに富んだ内容となっている。
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posted at 17:21:57
岡田秀文「本能寺六夜物語」読了。「本能寺の変」より三十余年、山寺に集められた六人の男女によって語られる六夜物語。様々な形で「本能寺の変」に関わった彼らの話は、やがて事変の裏に隠された驚くべき真実をも明らかにする。彼らは一体何に関わり、何を知ってしまったのか?
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posted at 17:21:28
但し連作としての纏めが少々いただけない。まずこれをやるには明らかに描写不足であり、そのせいで最終話からの展開がどうにもぴんとこない。加えて最後に明かされるある事実に関しても、これを出した段階である程度予想できてしまうのが難。
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posted at 00:53:29
大正時代の帝都を舞台に名探偵を目指すお嬢様とお抱え俥夫のコンビが数々の難事件に挑む連作短編集。各事件の真相自体は他愛ないものばかりだが、手掛かりの提示の仕方にこなれた印象を受ける。唯一例外なのは「魔炎の悪意」で、ありがちな話に一捻り加えた展開や、犯人が事件を起こした動機が面白い。
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posted at 00:52:52
伽古屋圭市「帝都探偵 謎解け乙女」読了。ホームズに憧れ名探偵になることを宣言した令嬢とお抱え俥夫が巻き込まれる事件の数々。死んだ友人から届いた手紙。密室から消えた西郷隆盛像。未来から来たと主張する男。一年前に密室で焼死した筈の夫の出現。更に二人に纏わるある事件も関わってきて……。
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2013年12月18日(水)
またオチに関しても伏線があからさま過ぎて、恐らく読者の大半が途中で読めてしまうのではないだろうか。むしろ予定調和として割り切ってしまった方がいいかもしれない。一応あとがきを見ると次回作を匂わせてはいるので、願わくは次こそはトリックメーカーのクロケンらしい内容を期待したい。
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posted at 22:52:06
黒田研二による同名の人気フリーゲームのノベライズ第二弾。前作に引き続きミステリ要素がないわけではないが正直微妙。これを盛り込むことによりある人物のゲスぶりが際立つものの、作品世界そのものに仕掛けが凝らされていた前作に比べると、どうしても小粒感が否めない。
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posted at 22:51:51
黒田研二「青鬼 復讐編」読了。あの惨劇から一週間後。シュンは惨劇の舞台である町外れの洋館〈ジェイルハウス〉へ近付かないようクラスの仲間たちに訴えるがそれも空しくひろし、卓郎、美香、たけしの四人が再び館を訪れてしまい青い肌の怪物に襲われる羽目になる。果たして生還できるのは誰なのか?
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posted at 22:51:39
2013年12月17日(火)
一方「インペリアルと象」もまた凶器の正体を巧みに隠蔽しており、それが明らかになることにより犯人も分かるというハウダニットがフーダニットに直結する仕掛けが実に秀逸。本作はこれまでの作品同様、隠蔽というテクニックに作者の並々ならぬ拘りが感じられる良作である。
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posted at 22:33:16
この作品のメインである殺害方法については逆転の発想ともいうべきものでなかなか面白いが、それ以上に感心したのは手掛かりの隠蔽法である。木の葉は森に隠せと言うが、こういう隠し方もあるのかというのが目から鱗だった。
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posted at 22:31:46
「ジークフリートの剣」以来の、久々の芸術探偵シリーズの新作はタイトルにもあるような、かなり変わった殺し方をテーマにした中編集。「不可能アイランドの殺人」は粗筋にあるような不可思議な現象に目がいきがちだが、生憎この作品のメインはそこではない。
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posted at 22:31:24
深水黎一郎「世界で一つだけの殺し方」読了。少女が訪れた地方都市で警察に追われたスリが池の上を走り、指名手配写真が一瞬に消え、トンネルを抜けた列車が半分になる不思議な現象が続発する「不可能アイランドの殺人」、動物園でのピアノリサイタル中に象が人を殺す「インペリアルと象」の二編収録。
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2013年12月16日(月)
プロットの巧さに反してこじんまりと纏まってしまった印象が否めず、手掛かりにしても専門知識に依存し過ぎてどうにもぴんとこない。これは少々期待ハズレだったかなと思いきや、最後の最後で見事にしてやられた。と同時に、何故本作の推薦文が法月綸太郎だったのか大いに納得した次第である。
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posted at 23:59:39
しかしながら本作の本領発揮は二章からであり、そこから読者の予想を先回りしてイヤミス風味を添えながら悉く裏切ってみせる展開が実に秀逸。そうして読者を煙に巻いた後、三章で満を持して探偵役が登場、真相が明らかになるのだが……正直いえばこの真相にやられた感を覚える人は少ないかもしれない。
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posted at 23:59:30
やはりこの作者はプロットが抜群に巧い。全三章から成る本作の見所は何と言ってもタイトルにもなっている複雑に入り組んだ事件の構図に尽きるだろう。とはいえ一章を読み終えた段階では事件の構図はバレバレであり、これの一体どこが複雑に入り組んでいるのだろうと大半の読者は首を傾げるに違いない。
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posted at 23:59:10
深木章子「殺意の構図 探偵の依頼人」読了。弁護士の衣田はある日、妻の父の家に放火、殺害した疑いで逮捕された峰岸諒一の弁護を引き受けることになる。だが諒一は否認を続け、弁護人の衣田にも詳細を話さない。そんな最中、諒一の妻が別荘の地下で水死したのを機に諒一はある事実を語り始める。
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posted at 23:59:00
2013年12月15日(日)
そして、真相を踏まえた柴田よしきの解説も絶妙で、本編読了後に読むと思わずニヤリさせてくれる。本作はミステリ的手法を使ったホラー小説の、一つの到達点とも言える作品である。
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posted at 17:32:10
本作で明らかにされる真相自体は作者がこれまで何度もやってきた○○○○○なのだが、それを怪奇現象とメタを取り入れることにより極上のホラーとして仕立てあげている点が秀逸。また一見ホラー小説にしか見えなかった「蛇棺葬」にさりげなく盛り込まれていた伏線が次々と回収される終盤の展開も巧い。
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posted at 17:29:56
独立したホラー長編として書かれた「蛇棺葬」に対し、ミステリ的手法を駆使して決着をつけた本作。ある物語を読んだことで起こる怪現象から逃れるために真相を推理するという流れは「作者不詳」の時と同じだが、本作では更にそれを発展させて、謎の解明がそのまま恐怖へと直結する仕掛けを試みている。
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posted at 17:29:33
三津田信三「百蛇堂 怪談作家の語る話」(文庫版)読了。作家兼編集者の三津田信三が紹介された男、龍巳美乃歩が語ったのは旧家・百巳家での迫真の実話怪談だった。数日後、龍巳から送られてきた原稿を読んだ三津田と周囲の人々を、怪現象が襲い始める。
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posted at 17:29:14
2013年12月11日(水)
また終盤では前作「ドラゴンフライ」でも見せた島荘的幻想と映画的演出を駆使して一読忘れ難い情景を生み出すことに成功している。加えて壮大なプロローグを予感させる結末で物語に余韻を残したのも個人的には○。本作はこれまでの作風を踏襲しつつ、作者の新たな可能性を感じさせてくれる力作である。
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posted at 21:39:19
そして、その試みはある程度達成されたと言っていいだろう。前二作に比べると本格ミステリ色は薄らいだものの、カジノ特区で行われている陰謀の黒幕を突き止めるに至った推理の過程は正に異世界本格のそれだ。
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posted at 21:39:03
「警察小説、未来形!」というのが本作のキャッチコピーだが、自分の見解は些か異なる。これまで作者が発表した二作品はいずれも警察小説と島田荘司的奇想の融合を目指したものだったが、今回作者はまず社会的テーマに基づいた異世界を作り上げた上で、それを実現させるという離れ業に挑んでいる。
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posted at 21:38:34
河合莞爾「デビル・イン・ヘブン」読了。2020年、カジノ特区が誕生した東京。一人の老人が転落死した現場には黒い天使のトランプが落ちていた。刑事・諏訪は謎を追う過程で様々なものを見る。聳えるタワー、巨大歓楽街、謎の自衛集団、死神と呼ばれる男、そして青眼の天才ギャンブラーの伝説……。
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posted at 21:38:19