麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2011年01月06日(木)
乾緑郎「完全なる首長竜の日」読了。少女漫画家の淳美は「SCインターフェイス」という植物状態となった患者とコミュニケートするための医療器具を使って自殺未遂により意識不明に陥って久しい弟の浩一と今日も対話を続けている。淳美が囚われ続けているのは常に同じ疑問。何故弟は自殺を図ったのか?
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posted at 23:42:55
第9回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作である本作は、選考委員の一人である大森望氏が「インセプション」を引き合いに出しているように夢と現実が入り乱れる幻想ミステリ的風格の作品である。実際読んでいて、どこまでが現実でどこまでが夢なのか、その境目があやふやになることもしばしばだ。
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posted at 23:45:12
そういった「ゆらぎ」が感じられる話が好きな人には正にうってつけの作品と言えるだろう。またミステリ的には一応ホワイダニットということになるのだろうが、そう思って読み進めていくと見事な背負い投げを食らうことになる。
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posted at 23:46:36
この背負い投げの感覚(?)だけで言えば何となく七河迦南「アルバトロスは羽ばたかない」に近いように思う。ただ厳密には「アルバトロス~」とは違い本作は本格ミステリとは言えないかもしれないが、それでも真相を示唆する大胆な伏線が張られているので「やられた感」は充分に味わえるだろう。
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posted at 23:48:08
何の予備知識もなしに買った本作だが、個人的にはなかなか面白い作品だった。ちなみに何故本作を手に取ったのかというと、巻末の参考文献に大阪圭吉「カンカン虫殺人事件」が挙がっていたからだったりする(爆)。
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posted at 23:49:36