麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2011年03月17日(木)
寵物先生「彷徨えるマーク・ガッソン」読了。科学が発達し「人」と「機械」の境界線が曖昧になった二W九八年、アンドロイド研究を目的として設立された研究所でドナー志願者の青年が何者かに射殺された。凶器となった拳銃は現場に残されていたが、奇妙なことに弾丸は一発しか装填されていなかった。
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posted at 11:10:40
SFではお馴染みのロボット工学三原則に基づいた本作は、自分好みの「謎を成立させるために世界観を一から作り上げた」本格ミステリである。目の付け所はなかなかいいと思う反面この手の作品が陥りやすい「特殊なルール故に伏線が分かりやすい」という欠点がもろに出てしまっているのが何とも惜しい。
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posted at 11:11:41
我孫子武丸「眠り姫とバンパイア」読了。アメリカへ留学することになった友人の代わりに小学五年生の女の子、相原優希の家庭教師をすることになった大学生、萩野歩実。ある日歩実は優希から父親が三年ぶりに会いに来てくれたという話を聞く。だが、その父親は三年前に死亡していることが判明し――。
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posted at 19:05:13
死んだはずの父親が会いにくるという奇妙な話。それはやがて密室からの人間消失という不可能犯罪ばりの謎にまで発展する。と言っても、どうせ他愛のない真相なんだろ? と高を括っていたら、見事にやられてしまった。まさか真相が○○○だったとは……このずらし方が、何ともこの作者らしい。
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posted at 19:05:58
読後感もこの作者には珍しく(?)実に爽やかで、ジュブナイル作品としてはかなり高い完成度と言っていいだろう。個人的にはミステリーランドで久々にミステリらしい作品を書いてくれたことを何よりも評価したい。
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posted at 19:06:50
井上雅彦「夜の欧羅巴」読了。有名な吸血鬼画家の母が姿を消したのと前後して三人の刑事が息子であるレイの許を訪ねてきた。なんでも刑事たち曰くある殺人現場に彼女が描いた絵の切れ端が落ちていたと言う。それを聞いて居ても立ってもいられなくなったレイ。手掛かりは母が残した一冊の画集だけ――。
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posted at 19:07:39
宝箱を開けると、妖しくも美しい夜の夢がそこにあった――そんな例えが相応しい本作は怪奇映画に出てくるような怪人、怪物たちが繰り広げる一大冒険譚である。少年少女のためのミステリーランドらしく次々と現れる夜の眷属たちに主人公レイが勇敢に立ち向かっていく様は読んでいて非常にワクワクする。
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posted at 19:08:54
作者が自分の代表作になるかもしれないと語るように本作には作者のやりたいこと、好きなものが徹底的に詰め込まれており、ある意味井上雅彦の集大成と言ってもいいかもしれない。そしてそれらを見事に再現した小島文美の挿絵も素晴らしい。胸躍るような冒険ロマンが好きな人には是非ともお勧めしたい。
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posted at 19:10:29