麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2011年03月20日(日)
飛鳥部勝則「プロセルピナ」読了。恋人が住む五重の塔の五階にある部屋に、幾つもの無残な死体があるのを女は見た。だが女が目を離したわずかな間に部屋からそれらの死体が全て消え去ってしまう。何故そんなことが起きたのかはわからない。しかし、女は間違いなく見たのだ。
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posted at 09:44:58
昨今の飛鳥部長編ミステリを短編化したような作品。冒頭の残虐な殺人と魅力的な謎。神話をモチーフとした古典絵画と物語の融合。そして、あっと驚く消失トリックが解明された後に待ち受ける異形な結末。飛鳥部勝則という作家の全てが詰め込まれた贅沢な短編である本作は飛鳥部ファン必読の傑作である。
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posted at 09:46:59
山村正夫「忍者探偵 秘湯へ行く読了。おれの名前は佐分利健。服部半蔵の妾腹ながら数えて十七代目伊賀流末裔。厳しい忍法修行を終え、伊賀の里の秘湯で疲れを癒していたおれは、偶然にも東京の戌井産婦人科院長殺害事件に遭遇した。なんと、彼は車のトランクから溺死体で発見されたのだった。
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posted at 19:08:30
忍者探偵が様々な忍術を使い事件の真相に迫っていくという粗筋もかなりアレだが、読み進むにつれて、酔拳使いとのバトルやテレフォンセックス(!)、密室にダイイングメッセージと、どんどんカオス化していく展開が素晴らしい(爆)。
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posted at 19:09:29
ミステリとしては特に語るところはないが、破綻という破綻もなく手堅くまとまっているのではないだろうか(ただし手掛かりの出し方には若干不満あり)。むしろ本作はミステリ部分よりも作品全体から感じられるキワモノテイストを楽しむのが吉だと思う。
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posted at 19:10:22
白峰良介「飛ぶ男、堕ちる女」読了。男がマンションの屋上から飛び降りた。目撃者が駆け付けるとそこには女の死体が転がっていた――最初、警察は女が「じぶん殺し」というキャッチフレーズが目を引く新聞広告を所持していたことから自殺と考えるが、その数日後に今度は女の友人が何者かに殺害される。
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posted at 19:11:31
核となるアイディアは短編ネタだが、そこから上手く話を膨らませて一つの長編に仕上げている。派手さを求めるとハズレだが、確かな文章力と広告業界という舞台設定、丁寧な伏線による堅実な物語作りはこの時期の新本格作品としては珍しい方だと思う。
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posted at 19:12:27
個人的にはタイトルにもなっている冒頭の不可思議な状況が、ある皮肉な暗示になっている点は○。新本格が苦手な人でも本作ならば意外と抵抗なく読めるのではないだろうか。
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posted at 19:14:11