麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2011年04月16日(土)
一柳凪「リバース・ブラッド1」読了。とある研究所で起きた爆発事故に巻き込まれた巽は、記憶をなくした代わりに人や物の記憶を読み取る能力を手に入れていた。その一方で巷では内蔵が抜き取られたかのような奇妙な死体が相次いで見付かっていた。そんなある日、巽は一人の謎めいた少女と出会う。
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posted at 18:00:08
あとがきで作者は王道の学園(異能)バトルものを目指したと語っているが、お世辞にもそれが成功しているとは言い難い。というのも本作には編集側の意向なのか前作にはなかったラッキースケベがふんだんに盛り込まれているが、それに頁を割きすぎて本来説明すべきものがおざなりになってしまっている。
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posted at 18:01:31
また作者が言う「ささやかな(ミステリ的な)仕掛け」にしても「ささやか」どころか取って付けた感が否めない。正直、前作が良かっただけに、この出来には残念と言わざるを得ない。
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posted at 18:02:23
澤木喬「いざ言問はむ都鳥」読了。沢木敬、分類学者。趣味はバイオリン。植物学科の助手を務め、学生の指導や論文執筆、フィールドワークに明け暮れる。そんな彼が遭遇した四つの日常の謎を収録した連作短編集である本作は、昨今のヌルイ日常の謎とは一線を画するような論理と飛躍に満ちている。
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posted at 18:36:10
それが最もよく表れているのは第二話「ゆく水にかずかくよりもはかなきは」だろう。人気のない切符売り場でひたすら子供用の切符を買い続ける男の謎を扱ったこの短編の着地点を予想できる人はそうそういないに違いない。
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posted at 18:37:39
謎と真相のとんでもない結び付きこそ自分の求める日常の謎であると固く信じて疑わない人にとって、本作は打ってつけなミステリ短編集と言えると思う。また、のんびりとした語り口とは裏腹に真相が黒いのも個人的にはポイント高し。
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posted at 18:38:34