麻里邑圭人
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- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2011年04月30日(土)
津島誠司「A先生の名推理」読了。深夜の大通りに現れた咆哮する怪人。消えたり現れたりひっくり返ったりと変幻自在の山小屋。オフィス街での不条理な出来事。海で救いを求める女と屋敷で度々目撃される巨人の幻。隕石が巻き起こすSFホラーさながらの怪事件。五つの奇怪な謎にA先生の推理が冴える。
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posted at 18:24:40
本作にはベレー帽がトレードマークで甘い物に目がない謎の老人、A先生を探偵役とする五つの短編の他に作者のデビュー作にあたる短編「夏の最終列車」が収録されている。今回、本作を久々に再読して思ったのはやはりシリーズ第一作の「叫ぶ夜行怪人」は奇跡的作品だったのだなということだった。
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posted at 18:25:39
というのも「叫ぶ夜行怪人」以降のA先生物の短編はどれもいまいちキレが感じられないのである。何というか作者が無理をして書いているような気がしてならない。ちなみに巻末の鮎川哲也の解説によれば、作者自身はどうやら「A先生」シリーズを打ち切りにしたいと思っていたようだ。
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posted at 18:26:37
それに対し鮎川哲也は「折角掘り当てた鉱脈なのに見限るなんてとんでもない」と叱りつけたそうだが、それが果たして良かったのかというと甚だ疑問ではある。故に「叫ぶ夜行怪人」以外に良かったものを挙げるなら「夏の最終列車」になるだろう。ある意味、本作は作者の苦悩ぶりが窺える短編集である。
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posted at 18:27:38
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