麻里邑圭人
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- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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» 2012年02月23日
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2012年02月23日(木)
小島正樹「綺譚の島」読了。風もないのに木が揺れ、魚は死に絶え、海は赤く染まり、土中からは鈴の音が聞こえる……「よそもの殺し」の島で続発する、現実とは思えない奇怪な現象の数々。更に「贄の式」に参加した者たちが、次々と不可解な状況で殺されていく。
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posted at 13:28:31
小島正樹といえば島田荘司のフォロワーとして名前が挙がることが多い作家だが、本作はその小島正樹が島田荘司とは決定的に違うことを初めてアピールした記念すべき作品である。確かに本作で起こる奇怪な現象の数々とその解決の仕方だけ取り出せば島田荘司的と言えるかもしれない。
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posted at 13:28:56
だが一番注目すべきポイントはそこではなく、犯人に関わる仕掛けにある。全てはここから逆算して作られており、それ以外のトリックはこの仕掛けから目をそらすための煙幕に過ぎない。この構造は島田荘司作品には見られないものだ。
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posted at 13:29:30
また従来の小島作品というと謎の詰め込み過ぎが災いしてどこか散漫な印象が否めなかったが、本作ではちゃんとこれといったインパクトのある大仕掛けがあるのがいい。若干、三津田信三の某作を彷彿とさせるものの、個人的には作者が新しい一歩を踏み出した作品として評価したい。
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posted at 13:30:08
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