麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年03月22日(木)
井上ほのか「いつまでもそばにいて」読了。アイドル探偵コンビの真名子と克樹が共演する映画「心霊探偵・雨京慎策」には限界美男のプレイボーイ俳優、令嬢アイドル、伝説の大女優など一癖あるメンバーが顔を揃えていた。ところが撮影を開始するや否や幽霊騒動が続発。遂には人死にまで出る事態に――。
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posted at 16:44:01
斬新な毒殺トリックであっと言わせた前作に比べるとネタ的には目新しいとは言えないが、その代わり本作はプロットの方に力が入っている。構成には無駄がなく、思わせ振りなシーンにはちゃんと意味があり、更に一度終わったと見せかけてひっくり返してみたりと一作目とは見違えるように巧くなっている。
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posted at 16:44:33
ただ一つ、気になる点を挙げるとするなら、お嬢様アイドルの扱いについてだろうか。正直ここまでキャラを立てるくらいなら、もう少し他に使いようがあったように思う。
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posted at 16:45:11
水生大海「転校クラブ 人魚のいた夏」読了。パパの仕事の関係で転校ばかりしているあたしの新たな転校先は人魚伝説の残る海沿いの町だった。そこでクラスメイトから人魚と陰口をたたかれ、避けられている美佐姫と知り合ったあたしは、いつしか美佐姫の「死体探し」に協力することになる。
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posted at 23:03:46
死体探しというキーワードからスタンドバイミー的(?)青春小説なのかと思う人もいるかもしれないが、本作の見所はズバリ「何が起こっているのか」である。錯綜した幾つもの謎が、中盤で起こる誘拐事件をきっかけに徐々に加速しながら解き明かされていく様は実に圧巻。
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posted at 23:04:15
とはいえ伏線の中には隠し方があからさますぎるものもあり、謎として出てきた段階で解答が分かってしまうのが難だが、それでもこれだけの謎を用意し全て綺麗に回収してみせた手腕は充分評価できる。その一方でそこかしこに窺えるイヤ感が、自分のようなイヤミス好きには堪らないものがある。
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posted at 23:05:38
個人的にこの作者のベストだと思っている「少女たちの羅針盤」に比べると破壊力こそ劣るものの、ミステリとして技巧面では間違いなく本作の方が上だろう。ここ最近は色々なタイプの作品を手掛けている作者だが、本作のような少女漫画的ミステリこそがこの作者の本領だと思う。
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posted at 23:06:57