麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年03月28日(水)
東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇跡」読了。空き巣狙いの三人組が一時的に逃げ込んだ先はかつて、あらゆる悩みの相談に乗ると評判の雑貨店の廃屋だった。そこで三人組はひょんなことから時空を超えて舞い込んだ手紙の相談役をする羽目に――。
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posted at 19:30:33
今やすっかり感動路線に切り替えた感のある東野圭吾だが、連作短編集形式の本作もまた例外ではない。相変わらずあざとい展開を駆使し、読者の涙腺をこれでもかと揺さぶりにきているのが些か鼻につくが、あざといながらも決してワンパターンに陥らないのはさすがといったところだろう。
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posted at 19:31:01
加えて本作は登場人物たちのリンクの仕方が絶妙で、それが一つの結末に向かって綺麗に収束していく様は「新参者」で見せた職人芸的技巧を思わせる。あざといのに巧い――本作は正にその一言に尽きる作品である。
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posted at 19:31:19
初野晴「千年ジュリエット」読了。ハルチカシリーズの四作目である本作には、幻のピアノの鍵の行方「エデンの谷」タクシーから降りようとしないヘビメタ少年の謎「失踪ヘビーロッカー」片目片腕の人間が決闘に勝つ方法「決闘戯曲」恋愛相談専門の会に隠された秘密「表題作」の四編が収録されている。
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posted at 23:21:57
このうち日常の謎として最も秀逸なのは「失踪ヘビーロッカー」で、読了後タイトルがダブルミーニングになっていたのには思わず笑ってしまったw ただ勘のいい人はある手掛かりが出た時点で分かってしまいそうな気もする。「決闘戯曲」は単純なネタからの話の膨らませ方が抜群に上手い。
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posted at 23:22:34
そして最後の表題作では現代本格においては定番なネタを使って綺麗に連作としてのオチをつけてくれる。構成が前作「空想オルガン」と似ているのがやや気になるものの、充分本格ミステリの水準は満たしている良作だと思う。
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posted at 23:23:02