麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年08月24日(金)
鷹見緋沙子「死体は二度消えた」読了。竹村は嫌いな上司・古川の殺害をテーマにした推理小説を構想するが、その古川がある日密室で絞殺後、消失する場面に遭遇する。その体験をもとに竹村は推理小説を執筆するが今度は同じトリックの小説が既に存在することが発覚、盗作の疑いをかけられることに――。
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posted at 18:11:36
まず本作は読者の予想を常に裏切るような構成になっている。例えば冒頭、密室からの死体消失という不可解な謎で読者を惹き付けるが、そのトリック及び犯人は中盤に差し掛かる前にあっさりと判明。以降は本格ミステリからサスペンス物へと舵を切ったような展開が続く。
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posted at 18:11:56
だが最後の最後で物語は再び本格へと回帰、それと共に明らかになる意外な真相もまたいい意味でお約束を裏切っている。何より秀逸なのは、早い段階で行われたトリックの解明が、真相の意外性を引き立たせていることだろう。本作はハウダニットを効果的に取り込んだ、プロット型本格の良作である。
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posted at 18:12:36
山口雅也「謎の謎その他の謎」読了。結末を読者の想像に委ねるリドル・ストーリー五編を収録した短編集。個人的に気に入ったのは「異版 女か虎か」「謎の連続殺人鬼リドル」で、前者は王女サロメと彼女を巡る人々の選択を、後者は謎々を出してその答えによって生死を判断する連続殺人鬼を描いている。
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posted at 21:35:55
ただ後者に関しては最後に登場人物がどう答えたか論理的に推測できるように書かれているとのことだが、生憎自分はさっぱり分からなかった(爆)。ミステリというより所謂「奇妙な味」の短編集であり、「ミステリーズ」みたいな作品や小泉喜美子のリドル・ストーリー短編が好きな人にこそお勧めしたい。
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posted at 21:36:25