麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年09月20日(木)
道尾秀介「ノエル」読了。少年と少女は絵本を作り始めた。醜悪な現実を振り払うために。そうして作られた物語が五人の運命を変えていく――。「最も美しく、最も劇的な道尾マジック!」とは本作の帯の謳い文句だが、個人的には別段、技巧的な作品だとは思わなかった。
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posted at 18:52:32
一応非ミステリながら所々にミステリ的技法を用いてはいるものの、それがあまり物語とうまく噛み合っていない。設定もいつも通りで目新しさはなく、中にはただ話を盛り上げるために出しただけで消化しきれていないものもある。
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posted at 18:53:02
各登場人物のリンクの仕方も凡庸の域を出ておらず、どうせなら東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇跡」のように、あざといのだけど巧いと思わせるくらいのことはやってほしかった。
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posted at 18:53:42
山田彩人「幽霊もしらない」読了。乗り過ごした常磐線の車内に残されていた詞集をうっかり手にしてしまった為に俺はドSな幽霊に取り憑かれる羽目になった。音楽ユニット「ルナティカン」の美人ボーカル・広瀬琉奈を名乗るその幽霊は呪われたくなければ自分を殺した犯人を探しなさいと喚き散らす――。
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posted at 22:06:09
「眼鏡屋は消えた」で第21回鮎川哲也賞を受賞した作者の二作目。前作同様、最初こそ面白いものの事件の調査が始まって以降はひたすら聞き込み→推理の繰り返しで退屈の一言に尽きる。折角の幽霊キャラの設定もほとんど活かされておらず、正直これでユーモア本格を謳うのは厳しいと言わざるを得ない。
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posted at 22:06:43
しかしながら、メインの仕掛けにはしてやられた。問題そのものを読者にミスリードさせる点に関しては成功していると思うが、だからこそ尚更、構成をもう少し練り込んでほしかった。
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posted at 22:07:07