麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年09月19日(水)
横山秀夫「臨場スペシャルブック」読了。単行本未収録短編「罪つくり」「墓標」「未来の花」「カウントダウン」の四編が収録されたドラマ版「臨場」のガイドブック。「罪つくり」はラブホテルで若い女が変死した事件が、意外な繋がりを見せる一編。
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posted at 18:56:18
相変わらず『終身検視官』倉石の名探偵ぶりが著しいが、その一方でミステリとしてのさりげない伏線の巧さと、タイトルの意味が分かった瞬間、切実に胸に迫る人間ドラマが堪能できる。だが手放しで褒められるのはそこまでで、残りの三編に関しては一段落ちる印象。
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posted at 18:56:42
それでも「墓標」のセルフパロディ的要素は嫌いではないが「未来の花」の方は50という縛り(初出は光文社50周年記念アンソロジー)が却って作品の出来を損ねているように思う。そして「カウントダウン」に至ってはわざわざ倉石が登場する必然性が感じられずどうにもすっきりしない読後感となった。
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posted at 18:57:29
石持浅海「煽動者」読了。そのテロ組織の名は「V」。流血によらず現政府への不信感を国民に抱かせることを目的とし、普段は一般人を装い週末だけミッションを実行する。その「V」の、外部から閉ざされた兵器製造施設でメンバーの一人が扼殺される事件が発生した。犯人は残された七人の中にいる――。
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posted at 22:04:36
本作は、テロリストmeets日常の謎と言うべき異色作「攪乱者」の流れを汲んではいるものの、その内容は「攪乱者」とは打って変わって閉鎖状況下で起こった殺人事件を扱っている。といっても所謂クローズド・サークルテーマのミステリというより、どちらかというと異世界ミステリに近い。
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posted at 22:04:49
特筆すべきは犯人の動機であり、この状況設定だからこそ可能な逆説が非常に面白い。また登場人物の設定もなかなかよく考えられており、それを踏まえてストーリーが展開していたことが読了後に分かって思わず唸らされる。
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posted at 22:05:04
しかしながら本作は物語の構成に難があり、殺人事件が起こってもミステリらしい展開はとことんスカされ、ようやくそれらしい盛り上がりを見せるのは第九章に入ってからというのはさすがに遅すぎると言わざるを得ない。とはいえ、そこまで我慢して(?)読むだけの価値はある作品だとは思う。
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posted at 22:07:11