麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年11月22日(木)
多島斗志之「黒百合」読了。一九五二年夏。父の古い友人である浅木さんに招かれて六甲にある別荘を訪れた私はその翌日、浅木さんのひとり息子・一彦と共に向かったヒョウタン池で「この池の精」と名乗る少女・香に出会う。夏休みの避暑地を舞台に育まれる淡い恋、そして死――。
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posted at 13:08:09
読了後の感想を一言でいうなら「お前かよ!」(爆)。三人の少年少女によるひと夏の恋の終わりと共に浮かび上がる事件の構図には大いに唸らされた。このやられた感は作品のテイストこそまるで違うが、国内作家Hの某作品に近いものを感じる。
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posted at 13:08:33
また読み終わって初めてその意味が分かるタイトルも秀逸。これは言ってしまえば作者自身が本作のメインはあちらであると証明しているようなものだろう。本作は、徹底した構図の隠蔽に作者の技巧を見出だすことができる傑作である。
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posted at 13:09:04
鷹見緋沙子「悪霊に追われる女」読了。資産家の順子は不倫関係にあった夫の友人・寺西とドライブを楽しんでいたが、帰りがけの山道でうっかり若い女を轢き殺してしまう。死体は寺西が岩穴に隠し事なきを得たかに思えたが、一年後、白骨死体の発見が報じられたのを機に寺西のもとへ脅迫状が届けられる。
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posted at 16:31:10
始まりこそよくあるサスペンスものだが謎の殺人事件が起こる中盤以降からは轢き逃げにあった若い女の幽霊まで登場し俄にホラーっぽい雰囲気になってくる。これが草野唯雄だったらヤっちゃった展開にしかならないのだが、そこは中の人が大谷羊太郎ということもありちゃんと合理的な解決をつけてくれる。
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posted at 16:31:33
ただ個人的にはこの合理的な解決よりもむしろその後に明かされるあるエロエロな構図の方を評価したい。登場人物の少なさのせいで犯人の意外性こそないものの、この構図をきっちり伏線を張った上でやってのけた作者は正直バカとしか言いようがない(褒め言葉)。本作はバカエロミスの隠れた良作である。
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posted at 16:31:48
山形石雄「六花の勇者3」読了。魔哭領を奥へと進む六花の勇者たち。その道中、ゴルドフが突如姿を消したことが全ての始まりだった。続いてチャモが秘かに仕掛けられていた罠により、命の危険に晒される。チャモを救うためには一刻も早くそれを仕掛けた者を探し出さなければならない――。
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posted at 22:22:57
ファンタジーとミステリの融合を目指したシリーズの第三弾。今回は、前二作に比べて謎の解明によるカタルシスよりもタイムリミットサスペンスとコンゲームに比重がおかれた内容となっている。これはこれで面白いとは思うが、前二作のような謎解き要素を期待すると少々物足りないかもしれない。
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posted at 22:24:07
一応、物語的にはよく練られているものの、読み終わってみると全てはエピローグのための布石だったような気がしてならない。とりあえず新たな展開を迎えた次巻に期待したい。
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posted at 22:24:32