麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2013年03月02日(土)
西村京太郎「変身願望」読了。公園で凍死した浮浪者と火事で焼死した本屋の主人。だがその正体は大臣経験もある現役の代議士とテレビ司会者だった。有名人が全く別の人間として死んでいる二つの事件に十津川警部は共通するキナ臭さを感じ取る。それから間もなく第三の事件が――。表題作含む九編収録。
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posted at 12:50:52
表題作及び「回春連盟」にはお馴染みの十津川警部が登場するものの、基本的にはノンシリーズ物の短編集といっていいだろう。加えて収録作のほとんどがミステリよりもブラックユーモアの色が強く、どちらかと言うと西村京太郎の作風というより赤川次郎の作風に近いかもしれない。
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posted at 12:51:46
唯一ミステリ色が強いのは洋上ホテルにする計画のある客船ヨットで起こった密室殺人を扱った「オートレック号の秘密」で、伏線の弱さは感じるものの、二転三転する推理の果てに待つ盲点をついた真相と皮肉なオチが面白い。
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posted at 12:54:43
その他、謎の老人から人殺しの醍醐味(!)の話を聞かされる「殺しへの招待」、ショートショート「アリバイ」も皮肉なオチが実に印象的。ミステリよりも語り口の巧さでみせる短編集である。
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posted at 12:55:10
笹沢左保「偽装」読了。二つの死を繋ぐ奇妙な伝言「伝言」、偽装工作の結果が二転三転する「夜の乱れ」、動機なき殺人と脱走囚立て籠り事件の意外な関係「第三の被害者」、アリバイ工作に利用された女「太陽が二つ」、女子大生と関係を持った講師がアリバイの証言者になる「処女の価値」の五編収録。
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posted at 19:07:12
タイトルにもあるように偽装をテーマにしたノンシリーズ物の短編集。収録作のうちベストは「第三の被害者」で、作者らしいサスペンス性と謎解きのバランスが絶妙。作者がずっとアイディアを温めていた自信作と語るだけのことはある傑作だと思う。
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posted at 19:10:49
その他、作者のデビュー作でもある「伝言」は全て見抜いたと思わせといてからの引っくり返しが秀逸。「夜の乱れ」は捻りを利かせているのはいいが、それを支える伏線がないのが残念。「太陽が二つ」はミステリ部分よりも結末の対比が印象的。
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posted at 19:11:02