麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2013年03月25日(月)
後藤リウ「聖者が殺しにやってくる」読了。カクレキリシタンの風習を色濃く残す九州の名門・堂林家を襲った猟奇惨殺事件から十四年。その事件の唯一の生き残りである堂林暦の帰還を機に、再び無慈悲な惨劇の幕が切って落とされる。繰り返される猟奇殺人はかつてこの地で惨殺された聖者のタタリなのか?
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posted at 00:44:24
最初に断っておくと本作の帯には幾つか嘘がある。まず「都市伝説探偵、誕生」とあるがそんなものはどこにも存在しない(というかこじつけもいいところである)。また本作がさも「本格ミステリ」であるかののように書かれているが、実際は本格ミステリでもなんでもなく、ただ形を借りただけに過ぎない。
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posted at 00:45:02
というのも本作で張られている伏線はどれも決定的な手掛かりになりえていないのだ。物語としてはそれでいいかもしれないが、本格ミステリとしては失格もいいところである。更に噴飯物なのは猟奇殺人の理由で、これに関してはアンフェアを通り越して論外としか言いようがない。
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posted at 00:45:29
斎藤栄「紙の孔雀」読了。学園紛争が活発な時代、学生寮に立てこもる一派に対する夜襲作戦に参加した少女は、攻撃を受け失神している間に何者かに強姦された。一方、横浜にある公園の野球場では男の他殺体が発見される。自分を強姦した男を探す娘と殺人事件の犯人を追う刑事の父が辿り着いた結末とは?
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posted at 18:33:23
プロット型本格の秀作。本作は学園紛争を軸に二つの事件の顛末が並行して描かれる構成となっているが、メインとなるのはやはり刑事の父が担当する殺人事件の方だろう。やがて物語はアリバイ崩しの様相を示し始めるが、実はその時点で読者は作者の術中に嵌まっているのだ。
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posted at 18:34:07
最終章に至り、読者はそのことに気付かされると同時に突き付けられる予想外の真相に呆然とするに違いない。若干伏線が弱い気がしなくもないが、この設定を活かした真相は一読の価値があると思う。
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posted at 18:34:34