麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2013年05月08日(水)
碇卯人「杉下右京の事件簿」読了。ドラマ「相棒」のオリジナル小説第一弾。スコットランドの伝統あるウイスキー蒸留所で目撃される伝説の巨人と二つの密室殺人に挑む「霧と樽」、逃亡中の暴力団幹部がいく先々で相次ぐ変死事件と奄美大島に伝わる妖精の目撃情報の関連性「ケンムンの森」の二編収録。
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posted at 21:42:34
霧の中で目撃される伝説の巨人、その巨人に潰されたと思しき死体、蔵と樽による二重密室……スコットランドと巨人の組み合わせというと自分は真っ先に島田荘司「暗闇坂の人喰いの木」を思い出すが、本作収録の「霧と樽」の謎もまた「暗闇坂」に勝るとも劣らない奇想に満ちている。
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posted at 21:43:45
そして、その真相も「暗闇坂」における「巨人の家」を彷彿とさせる実に大胆かつ豪快なもので、正直この発想は全く想定していなかった。舞台設定を見事に活かした秀作と言っていいだろう。
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posted at 21:44:05
一方「ケンムンの森」はミステリとしてみると伏線があからさまで大半の人が途中で真相に気付いてしまいそうだが、その代わり「霧と樽」にはなかった手に汗握る展開と活劇シーンで魅せてくれる。言うなれば本作は本格ミステリとエンタメで二度美味しい中編集である。
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posted at 21:44:23
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